PJM、データセンター向けの新しいビハインド・ザ・メーター(BTM)発電ルールの承認をFERCに申請

BTM施設の50MWのしきい値を設定

米国最大の地域送電事業者(RTO)であるPJMインターコネクション(PJM Interconnection)は、急速に増加する発電所併設型の大規模データセンターの負荷需要に対応するための取り組みの一環として、小売向けビハインド・ザ・メーター(BTM)発電(自家発電)ルールの変更について、連邦エネルギー規制委員会(FERC)の承認を求めました

この申請は、PJMに対して発電所併設型およびBTMの枠組みを全面的に見直すよう指示したFERCの昨年12月の命令への対応として行われました。この枠組みは2004年から施行されており、自給自足した分を電力網からの使用量と相殺(ネット決済)することができ、結果として送電費用などのグリッド関連コストを削減することが可能でした。

新しい提案では、BTM施設に対して50MWのしきい値が設定されます。RTOは、この新ルールを3年間の移行期間をかけて導入する意向だと述べています。提案によれば、50MWを超える新たな電力需要は相殺(ネット決済)の対象外となります。但し、バックアップ発電機はこの上限には含まれません。

PJMはまた、発電所併設型の需要に特化した3種類の新しい送電サービスを提案しました。これは、暫定ネットワーク統合送電サービス(interim network-integration transmission service)、確定契約需要送電サービス(firm contract demand service)、非確定契約需要送電サービス(non-firm contract demand service)です。これらのサービスの料金、条件、および利用規約は、後日の提出で示される予定です。

提案では、RTO であるPJMが会員と協力して、電力供給の信頼性を維持し、ユーザー間で公正なコスト配分を確保しながら、AI駆動型データセンターインフラの整備を支援することにも取り組んでいることが具体的に言及されました。

FERCは昨年2月、AWSとTalen Energy間で提案されたBTM契約に関する注目度の高い訴訟案件を受けて、発電所併設時の電力供給に関する見直しを命じました。両社は、データセンターがペンシルベニア州のSusquehanna原子力発電所からのBTM電力使用量を増やすことを可能にする相互接続契約の修正案(ISA)を提案していました。しかし、FERCは最終的に信頼性や他の料金支払者へのコスト影響を理由に、このISAを却下しました。その後、両社はフロント・オブ・メーター(通常の送電網経由)の電力購入契約(PPA)を締結し、2.5GWの原子力発電所からAWSに1.92GWの電力を供給することになりました。

これを受け、業界団体からは否定的な意見が表明されています。

PJM産業用電力消費者連合(PJM ICC)および全米製造業エネルギー消費者協会(IECA)は、この命令が既存のBTM契約を損なう可能性があると主張しました。両団体は、新規契約に対する小売BTMネット決済を廃止することは、大手メーカーを弱体化させ、既存の数百メガワット規模の自家発電を採算に合わなくさせ、送電網資源の資源不足がすでにひっ迫している状況下での新規プロジェクトを抑制する可能性があると指摘しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。