
Kepler、軌道上での演算処理に向け、データ中継衛星にNVIDIAのハードウェアを搭載へ
NVIDIA、LEO開発事業者から軌道上での演算処理向け、宇宙用GPUに対する強い需要を獲得
Kepler Communicationsは、計画中の光データ中継衛星にNVIDIAのハードウェアを追加します。
Keplerは、衛星コンステレーションの第1トランシェ(最初の実運用)において、10基の衛星に合計40個のNvidia Jetson Orinモジュールをエッジコンピューティング用GPUとして搭載し、軌道上での演算処理機能を提供すると発表しました。
Kepler CommunicationsのCEO兼共同創業者であるMina Mitryは、声明で次のように述べました。「このアーキテクチャは、宇宙運用における長年の制約の一つを取り除くものです。当社の光ネットワークにNVIDIAのAIインフラを活用することで、データは地上に戻るのを待つことなく、軌道上で処理、ルーティングされ、アクションを実行できます。インフラ規模を拡大していく中で、これは地上コンピューティングの自然な拡張となります。その結果、AIによる検知、より迅速な意思決定、高い耐障害性、そして顧客やパートナー向けの新たなミッションアーキテクチャが可能になります。」
Keplerは、AIを活用した地球観測解析、マルチセンサーデータ融合、RF信号インテリジェンス、自律型ネットワーク運用、インテリジェントな最適化といった用途を重視していると強調しています。
同社は一部の企業とは異なり、地上のデータセンターが担う計算処理を宇宙で引き受ける必要性については強調していません。この点については、軌道から地上への下り回線速度の制約など、さまざまな理由から、専門家が近年強く批判してきた技術トレンドでもあります。
地上での計算需要が急増する一方で、宇宙におけるエッジコンピューティングの実用的な必要性はそれほど単純ではなく、実際の需要の規模はいまだ把握段階にあります。宇宙AIの実験的な事例はいくつか行われていますが、これらのプログラムを完全に軌道上のみで実行することを示唆するものはありません。
軌道上データセンターの実現性を否定する辛辣なレポートを執筆した、GartnerのVP兼アナリストのBill Rayは、宇宙での計算処理は、「衛星画像の処理や、通信における複雑なメッシュルーティングの管理」といったように、軌道上で完結する用途に最も適していると強調しています。
NVIDIAはまた、Aetherflux、Axiom Space、Planet Labs PBC、Sophia Space、Starcloudと共に技術展開を進めており、軌道環境における半導体の電離放射線に耐えられる宇宙仕様ハードウェアを強調しています。
NVIDIAの創業者兼CEOであるJensen Huangは、次のように述べました。「最後のフロンティアである宇宙コンピューティングが到来しました。衛星コンステレーションを展開し、さらに深宇宙へと探査を進めるなかで、インテリジェンス(知能)はデータが生成されるあらゆる場所に存在しなければなりません。宇宙と地上システムを横断するAI処理は、リアルタイムのセンシング、意思決定、自律性を可能にし、軌道上データセンターを探索のための機器へと変え、宇宙船を自立航法システムへと進化させます。パートナー企業と共に、NVIDIAは地球を越えて活動範囲を広げ、これまで到達したことのない領域へインテリジェンスを大胆に導いていきます。」
昨年11月、最近の軌道上データセンター熱が最高潮を迎えた時期に、Starcloudはテスト衛星にNVIDIA H100 GPUを搭載して宇宙へ送り込み、宇宙空間で最大25倍のAIコンピューティング能力を実現できると主張しました。Starcloudは最近、1億7000万ドルを調達するシリーズAの資金調達ラウンドを完了し、企業評価額は11億ドルに達したと発表しています。
カナダ・オンタリオ州に拠点を置くKepler Communicationsは、宇宙、航空、地上との接続が可能な4つの光通信端末を装備した質量300キログラム(661ポンド)の衛星を10基、軌道に投入することを目指しています。同社は後続フェーズで、100基を超える衛星群への拡張も視野に入れています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
















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