英国、裁判所システムのワークロードをレガシーデータセンターから移行

一部アプリケーションは廃止、残りはクラウドへ移行

英国のHM Courts and Tribunals Service(HMCTS)は、ロンドン西部とスウィンドンにあるレガシーデータセンターからアプリケーションを移行しました。

HMCTSは2020年に開始したこのプロジェクトで、合計37のアプリケーションを移行しました。同組織は一部のアプリケーションを廃止し、ほかをクラウドプラットフォームへ移行できるよう更新したと、The Registerの報道は伝えています。

HMCTSはブログ記事の中で、今回の新しいインフラにより「システム障害のリスクが低減され、セキュリティアップデートをより効率的に実施できるようになった」と説明しています。

合計37のシステムは、以前はロンドン西部パーク・ロイヤルとスウィンドンのデータセンターに設置された約2,500台のハードウェア上で稼働していました。ブログ記事によると、「これらの多くはあまりに古く、交換部品の調達がほぼ不可能だった。その結果、重要な裁判所サービスへのアクセスを妨げかねない単一障害点を抱えた、きわめて脆弱な環境が生まれていた。」としています。

この移行作業は2020年から続けられており、各システムには複雑で異なる技術要件がありました。

同省は以前、2023年にCGIへ6,000万ポンド(約8,200万ドル)相当の契約を付与し、「ビジネスクリティカル」とされる35のレガシーアプリケーションの運用を支援させていました。

HMCTSは、次のように述べています。「不要になったアプリケーションは廃止し、その他はアップグレードしてセキュアなクラウドベースのプラットフォームへ移行した。また、別のシステム群は特別に構築した一時ホスティング環境へ移し、今後の置き換えや退役計画を検討している間も、安全かつ安定的に稼働できるようにした。」

利用されたクラウドプラットフォームの詳細は明かされませんでしたが、英国政府は主要ハイパースケーラーを幅広く利用していることで知られています。

加えて、2つのシステムは完全に再構築されました。1つは3つの個別ツールを置き換えた陪審員デジタルシステム(Juror Digital system)、もう1つは音声記録の文字起こし・保存システム(Digital Audio Recording Transcription and Storage system)です。

移行作業自体は完了していますが、HMCTSは現在、旧システムの廃止作業に取り組んでいます。

同省は、次のように述べています。「今回の変革は、古い機器を入れ替えるだけの話ではありません。継続的改善を可能にする基盤を整備し、アップデートしやすく、より安全で、接続性の高い新しいシステムを構築しました。」

「私たちの裁判所は、司法制度のニーズの変化に応じて成長し適応できる技術的な基盤を、今後長期にわたり備えることになります。たとえば案件数の増加、新サービスの導入、あるいは混乱時の継続性確保など、さまざまなニーズに対応できます。」

なお、HMCTSが以前使用していたデータセンターの詳細については公開されていません。

スウィンドンでは現在、AWS、nLighten、Deep Green、Carbon Zがデータセンターを運営しており、ロンドン西部パーク・ロイヤルではEquinixとPureDCがデータセンターを運営しています。

さらに、英国司法省(Ministry of Justice)はCrown Hosting(英国政府とArk Data Centresのジョイントベンチャー)の既知の顧客でもあります。2025年6月には、Atosがプラットフォームおよびレガシーサービスを提供するために5,800万ポンド(約7,848万ドル)のITサービス契約を受注しました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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