Vodafone、欧州でOracle Dedicatedクラウド・リージョンを導入

Vodafoneは、オラクルのオンプレミス専用のOCIクラウド・リージョンを、同社の欧州データセンター3か所に6つ導入しました。

Dedicated Region Cloud@Customerは、Oracle Cloud Infrastructureを顧客自身のオンプレミスデータセンター内に展開し、マネージドサービスおよびシングルテナントクラウドとして、パブリッククラウドと同じサービスをすべて提供するものです。

先週のOracle Cloud World Londonで、VodafoneのITオペレーション&テクノロジーディレクターであるPedro Sardo氏は、同社のヨーロッパの中核施設にDedicated Regionの導入を完了したことを発表しました。

この提携は2022年6月に発表され、オラクルは当時、「複数年契約」の締結により、Vodafoneの「多数のシステムを近代化してOCI Dedicated Regionに移行」することになったと述べていました。

6つのリージョンは、アイルランド、イタリア、ドイツの施設に2つずつ導入されました。Sardo氏によると、最初のDedicated RegionはGen1バージョンで、9月にミラノに導入されました。他の5つのリージョン(フットプリントが小さいGen2バージョン)は、すべて今月初めに稼動を開始しています。

Sardo氏は、クラウド・リージョンを自社のデータセンターに導入することで、通信事業者はパブリッククラウドサービスのメリットとスケールを享受しながら、自社に適した方法とスケジュールでアプリケーションを移行することができると述べています。また、遅延がないため、アプリケーションを全面的に移行するのではなく、部分的に移行することが可能です。

「OCIは、ビジネスが許容し、吸収できるペースで変化を促し、将来的にはパブリッククラウドとクラウドネイティブ戦略を実現できるという点で、おそらく当社にとって最適なソリューションだと思う」と同氏は語っています。

同社は、これまでに6,000個のデータベースのうち約150個を移行し、現在も1日あたり最大6個の移行を進めていると述べています。

オラクルは2020年にDedicated Regionsを発表し、現在、野村総合研究所(NRI)、バングラデシュ政府、オマーン政府などがこのサービスを利用しています。

従量制とはいえ、オラクルはDedicated Regionsの導入に「最低限」のコミットメントを要求しています。当初の大規模な世代(50ラック)では、3年間で年間約600万ドルのコミットメントが必要であったと言われていますが、最新の小規模な世代(16ラック)では、年間約100万ドルで済むと言われています。また、リージョンは450ラック以上まで拡張可能であるとされています。

Amazon Web Services、Microsoft、Google各社もオンプレミス・サービスを提供していますが、これらは一般にパブリックリージョンに比べ、提供するサービス数が限られています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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