マイクロソフト、アイルランドで900MWのPPA締結、2030年国家目標の28%

苦戦するグリッドへの追い風に

マイクロソフトは、アイルランドにおける同社のデータセンター事業を賄うため、合計900MWの企業向け電力購入契約(CPPA)を締結しました。

複数の電力会社との複数年契約により、同社は2030年の国全体の再生可能エネルギー目標の約28%をカバーすることになります。この契約には今後数年間に稼働する新しい再生可能エネルギー発電所も含まれています。

政府は、「気候行動計画」の中で、2030年までにアイルランドの電力需要の15%を再生可能エネルギーのCPPAから供給することを目指すと述べています。

これは、現在の消費予測では約6 TWh(テラワット時) の追加発電に相当し、マイクロソフトの契約はその30%近くをカバーすることになります。

このCPPAは、Statkraft、Energia Group、Power Capital Renewable Energyの3社と結ばれています。

マイクロソフト社のクラウドオペレーション&イノベーション担当コーポレートバイスプレジデントNoelle Walsh氏は、「今回の発表は、ここアイルランドのエネルギーグリッドにおける自然エネルギーの成長を支援するため、当社のデータセンターをより持続可能にし、新たなイノベーションを促進する当社の取り組みに基づくものです」と述べています。

「マイクロソフト社は、官民を問わず高まるクラウド需要をサポートし続けるとともに、アイルランドの送電網の脱炭素化を支援し、デジタル経済・社会のチャンスを引き出すために、あらゆる関係者と協力していくことを約束します」 と述べています。

同社は、アイルランドのデータセンターが2025年までに100%再生可能エネルギーでサポートされることを期待しています。

今回の発表は、アイルランドの送電網運営会社 EirGrid が、利用可能な電力不足を理由にダブリン周辺のデータセンター開発を阻止していることを受けたものです。

Digital RealtyのInterxionはこの規制の結果、同地域での3億ドルの拡張計画を一時中断したと地元紙に語っています。この結果、他の少なくとも30のプロジェクトも中止されたと伝えられています。

今年初め、Dataplex社は、送電網の認可を得るのに1年以上待ちましたが、送電を拒否されたと発表し、破産に追い込まれました。

しかし先週、アイルランド政府は3つの大規模洋上風力発電オークションのうち、2.5GWの再生可能電力につながる可能性のある最初のオークションを開始しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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