Eaton、EU出資のエッジDCIM研究でザグレブ大学と提携
電力管理ソリューションベンダーのEaton(イートン)は、クロアチアのザグレブ大学と提携して、顧客が小規模 データセンター をより有効に活用できる支援を行います。
Eatonは、欧州委員会(EU)が出資する「没入型データセンターの調査と監視」(Immersive Datacenter ExplorAtion and Supervision =IDEAS)プロジェクトで、同大学電気コンピュータ工学部(FER)と提携しました。
エッジ用DCIM
「IDEASプロジェクトにより、今日のほんの僅かのコストと複雑さで、 DCIM (データセンターインフラ管理)ソリューションの付加価値から大きな利益を得ることができるようになる」と欧州委員会プロジェクトは声明で述べています。
IDEASのインターフェースは、コロケーションや、エンタープライズITの「クラウド化」に伴うヨーロッパ地域におけるデータセンターの劇的な増加だけでなく、 IoT や 5G といった新たなトレンドによる、急増する極小規模かつ分散化したデータセンター (エッジITとも呼ばれます) に対しても、革新的で競争力のある答えを提供する」
データセンター監視ソフトウェアは、大規模データセンターでのエネルギー利用の最適化に焦点を当てたEUプロジェクトである「MANGO」から生まれました。
Eatonは、ザグレブ大学やその他複数の大学と共に、「Exploring Manycore Architectures for Next-GeneratiOn HPC systems」 (次世代HPCシステムのメニーコアアーキテクチャの調査) にも関わっています。
同社は、エネルギー消費、コンポーネントの温度、コンピューティングアクティビティをリアルタイムで監視するソフトウェアプラットフォームを提供しました。また、データセンターラック向けの低損失および低電圧配電ソリューションも開発しています。
このソフトウェアは、例えば拡張現実(AR)など、今後のエッジデータセンター領域を更に探索するコンサルティング・フェーズと共にIDEASの一部を担っています。
ザグレブ大学が作ったARのプロトタイプを使うパイロットサービスは、現在、1〜10ラックの小規模データセンターで「わずかなキー顧客により」試験運用されています。
このプロトタイプは、Intelligent Power Manager(IPM)ソフトウェアで定義されたコンピューティングおよび電力リソースを利用して、静的(サーバモデル)または動的(電力消費)情報をスマートフォンやタブレットがキャプチャした画像にオーバーレイ表示します。これにより、リモートメンテナンス作業が容易になります。
IDEASプロジェクトの第2フェーズとして、フランス、デンマーク、オランダ、ベルギー、イタリア、モロッコにて、EatonのITエコシステムであるローカルパートナーとのインタラクティブなディスカッショングループが設立されました。
このインタラクティブなバーチャルセッションでは、IPMソフトウェアやシャットダウン手順に関する機械学習など、Eatonがデータセンター向けに提供するサービスのライフサイクルを通じたガイダンスが行われました。
「拡張現実をEatonのIPMソフトウェアに統合することで、効率的なデータセンター運用に向けたソリューションが我々のHPCソリューションポートフォリオに追加された」ザグレブ大学電気工学部のHPCアーキテクチャ及びアプリケーション研究センターのディレクターを務めるMario Kovač博士はこのように述べています。
「補完的な専門技術により、近い将来実装されるであろう更なる多くのアイデアを始めることができた」
Data Center Dynamics
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