レノボ、AWSを実装したエッジデバイスを発表
AWSがソフトウェアサービスの1つを、サードパーティを通じてオンプレミスで利用できるようにしたことを受け、LenovoはAWSソフトウェアをプリインストールしたマシンビジョンアプライアンスを発表しました。
「AWS Panorama」は、機械学習(ML)デバイスとソフトウェア開発キット(SDK)のセットで提供され、オンプレミスのIPカメラにコンピュータ/マシンビジョンをもたらし、現地のCCTVフィードなどをオンプレミスのアプライアンスでストリーミングし、その映像に機械学習を適用します。尚、AWSは2021年10月に独自の「AWS Panorama Appliance」製品を発表していました。
しかし、今回は珍しくサードパーティのハードウェアにPanoramaサービスを移植したものです。2021年9月に発表された、Lenovo ThinkEdge SE70の販売が開始されました。
「Lenovo ThinkEdge SE70デバイスは、AWS Panoramaを使用するコンピュータビジョンのユースケースにおいて、価格と性能の面で顧客に別の選択肢を提供する」AWSは今週、このニュースを発表した記事の中でこのように述べていました。「AWS Panoramaにより、企業は(クラウドにビデオをストリーミングすることなく)エッジでのコンピューティングパワーを使用し、サプライチェーンロジスティクスの改善、トラフィック管理の最適化、製造品質の評価などの目視検査作業を自動化したりといった業務改善ができる」
デバイスは、21テラ演算/秒(Tera Operations Per Second:TOPS)のNvidia Jetson Xavier NXシステムオンモジュール(System-On-Module:SOM)、8GBメモリを搭載し、256GBのSSDストレージ容量から提供されます。また、AWSアプライアンスよりも安価(4000ドルに対し2399ドル)で、より容量の大きいストレージを搭載していますが、GPU性能とIP等級(IP62に対しIP51)は低くなっています。
AWS AI担当ディレクターのAnkur Mehrotra氏は、昨年の提携発表時に次のように述べていました。「エッジテクノロジーで市場をリードするLenovoとNvidiaと協力できることをうれしく思う。この新製品は、Nvidiaの強力なGPU性能、Lenovoが持つハードウェアシステムに関する専門知識、AWSのスケーラブルなコンピュータビジョンを、お客様が多くのユースケースにわたるビジネス課題の解決に利用できるよう、コスト効率の良い、競争力のあるパッケージにまとめたものである」
「エッジにおけるAIアプリケーションは、倉庫や物流業務の追跡や製造プロセスの自動化にコンピュータ・ビジョンを使用するなど、ビジネスのインテリジェントな変革に多大な可能性を秘めている」と、レノボのインテリジェント・デバイス・グループ戦略・新興事業担当副社長のJon Pershke氏は付け加えました。「ThinkEdgeのポートフォリオは、お客様が次のレベルのエッジネットワークを構築するために必要なパワー、パフォーマンス、および柔軟性を含むように拡張されている」
AWSのPanoramaが米国東部(N. Virginia)、米国西部(Oregon)、カナダ(Central)、欧州(Ireland)、アジア太平洋(Sydney、Singapore)で展開されているのに対し、レノボのアプライアンスは同社のウェブサイトで購入でき、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、日本、シンガポール、マレーシア、英国、EUなど165か国以上で展開されます。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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