ドイツで3Dプリンターによるデータセンター
Heidelberg iT が600平方メートルのビルに入居、わずか140時間で建設が完了
ドイツのハイデルベルクにある3Dプリンターで作られた建物が、データセンターとして使用されることになりました。
クラウドとデータセンターのプロバイダー Heidelberg iT Management は今月、「ヨーロッパ最大の3Dプリント建物」となる予定のものを、2023年末からサーバーホテルとして使用すると発表しました。
不動産開発・投資家のKraus Groupは、3Dプリンターによる建設会社Peri 3D Construction、建材会社のHeidelberg Materialsとともに、SSV Architekten HeidelbergとMense-Korte ingenieure+architektenとともにこのプロジェクトをリードしています。
Kraus Group のマネージングパートナー Hans-Jörg Kraus は、次のように述べています「長い伝統と将来を見据えた独立系ファミリービジネスとして、ハイデルベルクで革新的な建築手法を推進し、持続可能な建築手法に積極的に貢献したいと考えています。」
Baufeld 5として知られ、バーデン=ヴュルテンベルク州のBillie-Holiday-Strasse 7に位置するこの建物は、総面積600平方メートル弱となる予定です。BOD2 3D建設用プリンターを使用した建設作業は3月下旬に始まり、今年7月末に完了する予定で、その後、データセンターの内部フィッティングアウトが開始される予定です。
データセンターの容量やクラウドインフラに対する需要はますます高まっています。 Heidelberg iT のマネージングディレクター Matthias Blatz は、「ハイデルベルク南部の商業用地に、 Kraus Group とのプロジェクトと革新的な3Dプリント技術を用いたサーバーホテルを建設することは、当然の決定でした」と述べています。「私たちのサーバーホテルが、ヨーロッパ最大の3Dプリント建築物に建設されることを大変誇りに思います。」
Peri 3Dは、足場会社のPeri Groupに属しています。Cobod社(GE社が非公開株主で、CEMEX社、Holcim社、Peri社が主要株主)は、BOD2建設用プリンターを製造しています。実際の印刷に必要な時間は約140時間で、1時間に4平方メートルの建物を印刷するのに相当すると見積もられています。
Peri 3D ConstructionのマネージングディレクターFabian Meyer-Brötzは、次のように述べています 「パラメトリックデザインに基づき、この建物で使用されている特別な壁のデザインは、Cobod BOD2 3Dプリンターが可能にする非常に大きなデザインの自由度を示しています。このプロジェクトで、これまでで最大規模の建物を実現できたことを大変誇りに思います。」
Cobodの創業者兼GMであるHenrik Lund-Nielsenは、「このユニークなプロジェクトにおいて、Periは3D建設印刷の2つの主要な利点である実行速度とデザインの自由度を強調しています」と付け加えています。
この施設は、 Heidelberg Materials 社の約450トンの印刷用コンクリートを使用して3Dプリントされます。コンクリートは100%再生可能で、純粋なポルトランドセメントと比較して55%のCO2削減率を達成できると報告されているバインダーを含んでいます。
Heidelberg Materials のチーフ・サステナビリティ・オフィサーである Nicola Kimm は、「この革新的なプロジェクトに参加し、パートナーとともに、特に資源効率の高い建設方法として3Dコンクリート印刷をさらに開発できることを嬉しく思っています」と述べています。「私たちは共に、サステナビリティとデジタル化が両立することを示しました。i.tech 3Dのような革新的で持続可能な製品とデジタルビジネスモデルの開発は、当社の持続可能性戦略に不可欠な要素です。」
内装の塗装には、 CaparolとAlpina Weißというブランドで知られる Robert MurjahnによるDAW Deutsche Amphibolin-Werkeの塗装ロボットが使用されます-
Heidelberg iT は、MEG Kommunikationssysteme GmbHと合併して2007年に正式に発足しましたが、そのルーツをたどると、2001年にMVV Manet GmbHとの協力で最初のデータセンターを立ち上げたことに行き着くことができます。2番目の施設は2016年に立ち上げられました。新拠点は、ハイデルベルクにおける同社の4番目の商用データセンターとなると伝えられています。
米国では、EdgeCloudLink(ECL)が、3Dプリンターによる構築で、1MW単位で構築された水素で動くオフグリッドモジュラーデータセンターの提供を計画しています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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