HPCデータセンター事業者AtNorth、遅れていたストックホルムのDC建設に着工
アイスランドのデータセンター事業者atNorth(旧Advania)が、スウェーデンのストックホルムで、7,200万ドル、6,400平方メートル(68,890平方フィート)規模の データセンター 建設に着工しました。
キスタのストックホルム情報通信技術(Information and Communications Technology:ICT)地区に構築されるこの施設は、シリコンバレーに次ぐ世界第二のICT地区の形成に貢献することとなります。
この11.21MW規模の施設は当初、今年初めに操業開始の予定でしたが、パンデミックの影響により延期されていました。同社は現在、2021年12月に施設全体容量の7分の1のオンライン化を目指しており、さらにその後6回に分けた導入フェーズが続きます。
お寒いのがお好き、とてもとても寒いのが
atNorthのEyjólfur Magnús Kristinsson (エイヨンウル・マクナス・クリスティンソン) CEOは、この開発は同社にとってアイスランド国外での初のデータセンターとして「画期的なプロジェクト」 であると述べています。アイスランドのレイキャビク近くのハフナルフィヨルズルにあるThor(トール) DCやレイキャビクのMjolnir (ミョルニル) DCと同様、新施設も北欧神話にちなんで命名されました。ミョルニルは北欧の神トールの鎚(いかづち)、ストックホルムに建設されるシフは、トールのパートナー(マーベルコミックの場合)、妻(北欧神話・古エッダの場合)、あるいは親友(映画の場合)とされています。
「我々の目標は、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)とコロケーションサービスの世界的リーダーになること」クリスティンソン氏はこのように話しています。
「我々の野心的なユーザに対し、より多くの計算能力とサービスを提供できることに興奮している。これはコスト削減、製品市場投入のスピードアップ、そして複雑な問題の解決が実現できることを意味する」
高密度のワークロードを扱うユーザ向けに特別に設計されたこの施設は、容量40kWの空冷ラックと100kWの液冷装置を備え、またHPC Flowと呼ばれる同社のHPC IaaS製品の選択オプションがあります。
スカンジナビアの冷涼な気候のお陰もあり、データセンターの過剰な熱が無駄になることはなく、国営エネルギー供給会社であるStockholm Exergiによって家庭用暖房目的として再利用されます。
クリスティンソン氏は、次のように述べています。「この地域の大手エネルギー供給会社のStockholm Exergiと協力することで、データセンターのサーバが生成する熱は無駄にならないばかりか、社会全体のエネルギー効率を高め、無駄なエネルギー使用を削減するためにサプライチェーン上で利用される 」
2018年、同社はアイスランド最大のエネルギー供給会社Landsvirkjunから30MWの 再生可能エネルギー 発電能力を購入し、18の水力発電、地熱発電、風力発電所を活用してアイスランドの2つのデータセンター施設の規模を3倍にしました。
atNorthはスカンジナビアのIT業界においての長い歴史があります。2012年に、アイスランドの公共向けIT専門業者のSkyrr、Datapointと呼ばれるノキアのスピンオフをルーツとするスウェーデン企業Kerfi、そしてノルウェー企業のHandsの3社はAdvaniaを設立しました。(その後2020/12/8にatNorthにブランド変更)「トール」データセンターは2010年に運用が開始され、2012年にSkyrrによって買収されました。トールの敷地があるレイキャビク近くのハフナルフィヨルズゥル公園は、Nvidiaの GPU テストセンターやビットコインのマイニング施設にも選ばれています。
Data Center Dynamics
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