NTTがLondon 1データセンターを開設

グローバルデータセンター事業者のNTTは、London 1データセンターをダゲナムに開設し、また今後64MWへの拡張を計画しています。

2018年に発表された第1施設は、32MWの容量を提供し、1MW毎にモジュール式に埋められていく方式となります。サイト全体は最終的には、25,600平方メートル(276,000平方フィート)となる予定で、NTTの英国におけるフットプリントは3倍に増加します。また、この施設は100人を雇用を創出し、ロンドンのデジタルハブであるドックランズから8マイル離れた、製薬会社サノフィが以前所有していた場所に映画スタジオやその他企業と並んで配置されます。

DCDは、2019年の建設工事段階に現場を視察しました。その中で、同社は英国のデータセンター市場に関して楽観的であり、建物の環境関連の資格を誇りに思っていることがわかりました。

英国を支援する

「英国は世界のリーダーとして浮上してきており、世界中のより多くの国々と連携している」と、NTT UK/アイルランドの最高経営責任者であるPaolo Maselli氏は、録音されたスピーチの中で、Brexit(ブレグジット:イギリスの欧州連合離脱) の解明と並んで、少し奇妙な話しをしていました。Maselli氏は、日本が保有するNTTが、英国にデータセンター構築部門の本社を構えた判断を喜んで説明し、9月28日に締結された日英包括的経済連携協定(UKJCEPA)が、英国がEU離脱のプロセスを開始して以来、締結した最初の貿易協定であったと述べていました。

「英国は世界で最高の学部および大学院を持つ国家だ。シリコンバレーの銀行でさえ、英国のスタートアップ企業に資金を提供している。英国は歴史的に金融大国であり、世界の大国としての地位を確立している」とMaselli氏は述べています。尚、NTTは英国に対し5億ポンド(6億6000万ドル)の資金を投資しています。

おそらく賢明なことに、録音されたスピーチはBrexitとそのデータローカライゼーションへの考えられる影響を回避していましたが、NTT Global Data CentersのFlorian Winkler CEOは、このプロセスがこれまでのところ英国のデータセンターの成長を確実に抑制していないという事実を指摘しています。「ロンドンはヨーロッパの4つの大きなコロケーション市場の中で最大規模であり、並外れた成長を遂げている。ダゲナムはシティの近くにある。我々の施設の屋上からドックランズを見ることができる」

英国政府のGerry Grimstone投資大臣は、いくつかの良いニュースを好意的に受け取り、次のようなプレスリリースの引用を発信しています。「革新的、安全、そして効率的に運用していくために、このようなインフラに対する企業からの要求はますます増加している。NTTの英国に対する継続的な取り組みは、将来業界における技術革新のリーダーとしての評判を築き、確固たるものにするのに役立ち、我々のより良い復興にも寄与するだろう」

データセンターには、新テクノロジーやハイブリッドクラウドサービスの検証やデモンストレーションが行えるテクノロジーエクスペリエンスラボも併設されています。

NTTグローバルデータセンターEMEAのエンジニアリングディレクターであるStephen Austin氏は、このサイトには空調設備がない代わりに年間を通して蒸発冷却に依存していると言います。「最新技術の採用により、コンプレッサーや冷媒が不要になった」と彼は説明し、これは現場の装置の内包エネルギー(embodied energy)やCO2排出量の大幅な削減を意味し、温室効果ガスである冷媒を使用する必要がなくなったと指摘しました。「データセンターは、業界のベストプラクティスに沿って1.2の電力使用効率を実現し、より小さな発電機を使用して温室効果ガスの生成をより少なくした」と彼は述べています。

「NTTは、サイト全体で保証された再生可能エネルギーのみを使用する」とAustin氏は言います。「最も重要な要素はエネルギーとエネルギー使用である」

サイトのビデオツアーでは、屋上のソーラーパネル(このようなサイトでは通常、照明用途として十分な電力を生成する)やグリーンの外壁が確認できます。

NTTは廃熱再利用に取り組んでいる、とAustin氏は言います、しかしヒートポンプを含む計画を組み合わせることができれば、地域の住宅もカバーできる可能性があります。「ヒートポンプは、ガスボイラーに取って代わる電気駆動型の暖房システムである」

Austin氏は、将来的には、「データセンターは完全にニュートラルなグリッドから電気的に電力を供給され、水素を動力源とするオンサイトのバッテリーシステムでそれを補完し、そして廃熱を再利用できるようになる」と述べています。

幾多の通信事業者が過去、データセンター事業を売却してきた一方で、NTTは投資を増やしてきた、とMaselli氏は言います。「他の通信自事業者らは業界から撤退したが、NTTは世界で3番目に大きなデータセンター事業者になった」

NTTのデータセンター部門は、米国のRagingWire、ヨーロッパのe-Shelter、東南アジアのNetMagicなど、過去買収してきた企業を取り纏めてきました。これら何年も以前の名称で運営され続けてきた各事業は、昨年9月にNTT Global Data Centersというひとつのブランド名に統合されました。2020年8月には、同社は、2021年中に合計9施設を開設するという、グローバルの建設計画を発表しました。

Data Center Dynamics

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