オラクルとOpenAI、アビリーンのStargate拠点拡張を中止、MetaはNVIDIAの支援のもとCrusoeの容量確保を協議

資金調達の課題とStargate計画の見直しで、テキサス州のデータセンター拡張計画が中止

オラクルとOpenAIは、主力であるアビリーンのStargateデータセンターキャンパスの拡張計画を中止しました。

このプロジェクトは、テキサス州にあるLanciumのClean Campus内でCrusoeが開発しており、昨年「5000億ドル」規模の合弁事業が発表されて以降、最初に稼働するStargateプロジェクトです。施設はオラクルが運営し、OpenAI向けに使用されています。

昨年9月に2棟のデータセンターが稼働を開始し、今年中にさらに6棟が完成して、総容量は約1.2GWとなる予定でした。その後、両社はこの拠点を2GWまで拡張する計画とみられていました。

しかしBloombergによると、この拡張計画は中止されたとのことです。計画は資金調達の問題に加え、OpenAIの需要予測が頻繁に変化していることや、Stargateに対する方針の変化によって複雑化していました。

さらに今年、冬の悪天候によって一部の液体冷却装置に影響が出て数日間の障害が発生し、OpenAIとCrusoeの関係にも悪影響を与えたと報じられています。

The Informationによると、この拠点では電力供給が整うまでに約1年かかる見込みとのことです。その頃までには、OpenAIはアビリーンに導入予定だったBlackwell GPUではなく、NVIDIAのVera Rubinチップを展開したいと考えており、新しいキャンパスで導入する方を望んでいます。

OpenAIのコンピューティングスケーリング担当のSachin Kattiは声明で、「当社の主力であるStargate拠点は、米国で最大級のAIデータセンターキャンパスの一つです。さらに拡張することも検討しましたが、最終的には追加容量を他の拠点に配置することを選択しました。現在、複数の州で6か所以上の拠点を開発中で、その中にはオラクルと共にウィスコンシン州で建設している拠点も含まれており、今週には最初の鉄骨が建てられたばかりです」と述べました。

今年初め、OpenAIの物理インフラ担当ディレクターであるKeith Heydeが突然同社を去りました。同氏は、OpenAIの自社データセンター構想を強く推進していた人物ですが、同社は最近、クラウド契約を相次いで締結するようになっています。

OpenAIは、2030年までに約6000億ドルのコンピューティング支出を見込んでおり、これは以前に掲げていた2033年までに1兆4000億ドルを投資するという計画よりも縮小された数字です。

そのうち、最大で3000億ドルがオラクルに支払われるとみられていますが、オラクル自身もデータセンター建設資金の確保に苦労しており、コストを賄うために負債を増やし数千人規模の人員削減を計画しています。

同じくStargateの出資者であるSoftBankも、OpenAIの拡張資金を確保するため借り入れに頼っており、現在400億ドルの融資を募っています。

一方、アビリーンの拠点については、GPU大手のNVIDIAがCrusoeを支援し、残りの設備容量をMetaにリースできるよう働きかけています。

NVIDIAは、この拠点のデータセンターに競合チップメーカーの製品が入り込まないようにする目的で、通常では考えにくい対応として1億5,000万ドルの保証金をCrusoeに支払い、拠点を確保したうえでMetaと協議を進めていると報じられています。

ただし、CrusoeとMetaの間の契約はまだ締結されていません。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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