Eaton、スウェーデンでUPS as-a-Reserveサービスの試験を開始

EatonのUPSシステムでデータセンター事業者の電力網を支援

電力管理専門企業Eatonは UPSaaR (UPS-as-a-Reserve)サービスのパイロットプロジェクトを開始しました。このイニシアチブは、データセンター所有者が電力網の規制に参加する一方で、その貢献に対し対価を得ることを可能にします。

このサービスは UPS バッテリーを電力網に接続させるため、電力供給が少なくて需要が高い期間に蓄電されたエネルギーを使用できるので、電力網全体の停電を防ぎ、「1日に数時間しか稼働しないピーク時用発電所」の必要性を軽減します。

パイロットプロジェクトのために、Eatonはスウェーデンの国営電力事業者Svenskakraftnätとユーティリティー企業Fortumと提携しました。Fortum社は、Springと呼ばれる「仮想バッテリー」サービスを提供しています。

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昨年発表された「UPS as-a-Reserve」サービスは、インフラを危険に晒すことなく、データセンター所有者にUPSシステムを導入するチャンスを提供するものです。

このイニシアチブにより、データセンター運営者はFCR(周波数制御予備力)市場に参入することができ、電力生産が不安定な再生可能エネルギー源の影響を相殺することができます。例えば、太陽電池パネルが日中のみ稼働しているのに対し、風力発電タービンは風力に基づいて出力を変更します。

Eatonによれば、データセンターは、1年に電力網に割り当てられ電力の最大660万円/MWを調達できる見込んでいます。

EatonのパイロットプロジェクトはFortum社のSpringによって実現します。これは”北欧最大の仮想バッテリー”で、すでにいくつかの組織が提供している物理バッテリーを使い、最近、エリクソンのフィンランドのデータセンターと契約しました。

Fortumは、2018年の第1四半期から、0.1 MWのUPS容量をSvenskakraftnätの外乱予備に提供するためにSpringを使用しています。この予備は、電気網の周波数が低下した場合に自動的に作動します。

Eatonの事業開発マネージャーJ.ビヘルサロ氏は次のように述べています。「Svenskakraftnätは、電力網の安定化に対するEatonのUPS as-a-Reserveソリューションのメリットを認めています。スウェーデンは再生可能エネルギー技術の最前線に立っており、今後数か月をかけて他国や組織が模倣するモデルになると確信しています。業界の視点からすれば、このニュースは、この地域のデータセンター事業者が容量を電力網に戻せるようになる次のステップと言えるでしょう」

UPS as-a-Reserveは、DCDマガジン最新号の特集で議論されました。DCDマガジン(印刷版/デジタル版)の購読は、こちらからお申込みください。


Eatonは3月13日にストックホルムで開催された第1回DCD Energy Smartカンファレンスを後援しています。このイベントには、電力業界やデジタルインフラ業界から多数の企業が集まります。このイベントで、EatonとFortumは、UPSが仮想発電所としてどのように稼働するのか、どのようにデータセンターの収益を生み出すのか、というテーマで、共同で基調講演「グレイス・スペースでのグリーンマネー」を発表します。

– Data Center Dynamics
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