シリコンバレーのデータセンター、電力供給待ちで空っぽのまま

送電網の問題により施設は未通電

カリフォルニア州サンタクララにある2つの大規模データセンターが、電力供給が得られないため空っぽのまま放置されていることが報じられました。

Digital RealtyとStackが建設したこれらの施設は、地域送電事業者Silicon Valley Power(SVP)との供給契約を締結済みですが、送電網のアップグレードを待っている状態です。Bloombergの報道によれば、このアップグレードは2028年まで完了しない可能性があるようです。

Digital Realtyは2019年にデータセンターの計画許可を取得したものの、6年経った今も送電網への接続が実現していません。

同様に、48MW規模のStackデータセンターも同じ状況にあるとBloombergは報じています。

DCDは両社にコメントを求めています。

SVPの広報担当者であるJanine de la Vegaは、Bloombergに対し、「SVPはこれらの顧客を含む需要に対応するため4億5000万ドルのシステムアップグレードを実施中であり、プロジェクトは現在2028年完了の予定通り進捗している」と述べています。

SVPは以前、カリフォルニア州のデータセンター電力需要が今後10年で倍増すると予測していました。競合電力会社PG&Eも、9月に発表した730億ドル規模のインフラ更新計画で需要対応を進めています。

一方、Chris Wright米エネルギー長官は電力規制機関(FERC)に対し、データセンターの送電網接続許可手続きの迅速化を要請していると報じられています。同長官は、最大10年かかる手続きを60日以内に短縮することを強く望んでいると言われています。ただしシリコンバレーで顕在化しているように、十分な電力が確保できない状況では、この措置は意味をなさなくなります。

Digital Realtyはベイエリアに15の稼働中データセンターを保有し、その大半はサンノゼにあります。またStackは、シリコンバレーに3つのキャンパスを有し、合計200MWの容量を提供していると述べています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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