データセンターにおける自動化とヒューマンファクター
現在、データセンター業界では、自動化という言葉が流行語になっており、多くの企業が可能な限り多くのプロセスを自動化しようと取り組んでいます。現在、自動化の役割は、現代のデータセンターの多くの側面を変革し、特定のオペレーションを合理化する、効率化を推進するソリューションとして捉えられています。自動化ソリューションのブレークスルーはあったものの、人間のような問題解決能力と同等になるかというと、そうではありません。
「データセンターの専門家として、私たちはビジネスの問題を解決するために雇われているのであって、それ以外のことは二の次です。データセンターにおける自動化は、そのような問題解決に役立ってこそ意味があるのです」と、技術コミュニティの創始者であり、地域のデータセンター・カンファレンスで定期的に講演を行っているJoshua Au氏は述べています。
価値
データセンターにおける自動化ソリューションのブレークスルーは、シーメンスなどの企業がデータセンターのインフラを管理するために開発したソリューションで見ることができます。これらのソリューションは、人為的なミスの可能性を減らし、施設の予期せぬダウンタイムを防ぐことができます。
人工知能(AI)を使った高度なソリューションは、スタッフの作業負担を軽減することはできますが、それが人間の従業員を置き換えることができるでしょうか。ガートナーによると、2025年までにクラウドデータセンターの半数が AI と機械学習機能を備えた高度なロボットを活用し、データセンターの運用効率を30%向上さ せると予測しています。
ソリューションの1つとして、ロボット従業員を使って反復的な作業負荷を自動化することで、ビジネスプロセスの標準化と拡張を実現し、人間のスタッフをより重要な分析や 熟考作業に専念させることができます。
シンガポールのデータセンター・タスクフォースの副会長でもあるJoshua氏は、「自動化とは、人間のスタッフから反復的な作業を取り除くことで、分析や熟考が必要なより重要な作業に創造的エネルギーを集中させ、効率と生産性を向上させることです」と述べています。
問題解決能力
Joshua氏は、自動化プロセスの改良は続けられているものの、人間のような問題解決能力を再現できるようなソリューションは存在しないと付け加えています。
「まだ顕在化していない問題であっても、残存リスクとして検討されることがあります。自動化が実現するまでは、(a)問題を理解し(多くの場合、非常に人間的で社会的な側面を含む)、(b) プロブレムステートメントとアクションプラン案を伝え、そして(c)同意を得るために、常に人間が必要です。この3つのうち、いずれかを実現できた自動化を私は知りません」と、Joshua氏は付け加えています。
自動化はデータセンター業界に変革をもたらし、効率化、ビジネスプロセスの標準化と拡張、スタッフの作業負担軽減を実現するソリューションを提供しています。自動化ソリューションが飛躍的に進歩した一方で、人間の専門知識とコミュニケーションスキルは依然として不可欠なものです。
W.Media ( Shenton Gomez 記者)より抄訳・転載
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