デジタル変革のスピードに追い付かない技術スキル

エクイニクスが実施した技術スキルに関する新しい調査により、英国のITリーダーは、スタッフの定着と採用について深刻な懸念を抱いていることが明らかになりました。

エクイニクスの2022年グローバル技術動向調査(Equinix 2022 Global Tech Trends Survey)によりますと、英国のITディシジョンメーカーの67%がITスキルを持つ人材の不足を自社のビジネスに対する主な脅威の1つと捉えており、世界全体の62%を上回ります。エクイニクスのような企業は、人材プールを拡大し、補充採用活動を通じてより多様な応募者を獲得しようと考えています。

2,900人の調査回答者は、ハイテク業界の変化のスピードが速いため、企業は現在と将来の課題に対応できる適切なスキルを持つ人材の確保に苦労していると認めています。さらに、英国のITリーダーの61%が、技術産業の変革のスピードによってスキル不足が悪化していることを認めています。

世界的に見ると、回答者の44パーセントが指摘した最も一般的な懸念は、誤ったスキルセットを持つ候補者が求人に応募してくることと、現在の人材を維持することでした。英国では若干高い数値を示しており、ITリーダーの45%が応募者のスキルセットと求人案件が一致していないことを強調し、49%が人材の確保がますます困難になっていると感じています。また英国の回答者の半数は、ハイブリッド型やフレキシブルな勤務形態への従業員の期待の変化が、さらなるプレッシャーになっていると述べています。

世界全体で、最も需要の高い技術系社員は、IT技術者(27%)、クラウドコンピューティングのエキスパート(26%)、AI/機械学習の適性を持った人材(26%)です。その他不足しているスキルとしては、データ分析(21%)、データ保護(21%)、セキュリティソフトウェア開発(19%)、セキュリティ分析(18%)などが挙げられます。世界的に見ても、ITリーダーは、技術スキルのギャップは今後も同様で、AI/機械学習がさらに顕著になると予想しています。

英国ではこの調査により、現在最も大きな技術スキルのギャップはAI/機械学習であることが判明し、採用担当者の28%が専門知識の不足を強調しており、次いでIT技術者の応募者のギャップ(25%)とクラウドコンピューティングエキスパート(25%)のギャップが続いています。

ロンドンに拠点を置くColt Technology ServicesのCEOであるKeri Gilderは、次のように説明しています。「技術業界、特にソフトウェア業界では、適切なスキルを見つけることが非常に困難です。サービスのソフト化により、どの業界も同じようなスキルを求めているのが実情です。ここでの課題の1つは、若い人材がハイテク産業で得られる機会について認識していないことです。海底ケーブル、衛星ケーブル、ファイバーケーブルなどの分野では、あらゆる研究が行われていますが、インターネットプロバイダーは、多くのユースケース(大学レベルのものでさえも)に登場しません。私たちは、人材について協力的に考え、機会を待っている多様なスキル層をより多く取り込むために、業界として取り組まなければなりません」

スキル不足に対応するため、多くのグローバル企業が他の分野の人材の再教育に力を注いでいます。実際、62%が類似の産業から労働者を再教育していると答え、34%が無関係のセクターからの採用で労働力を補強しようとしています。英国でも同様で、57%の企業がIT部門や関連業界の従業員のスキルアップを図っているのに対し、39%はまったく異なる業種の応募者のスキルアップを目指しています。最近のレイオフや一時帰休をきっかけに、労働者はスキルやキャリアのレベルアップの機会を探し始めており、トレーニングや能力開発の機会を提供するIT企業は、人材を獲得しやすい立場にあると考えられます。

一方、企業は高等教育や実習制度による採用も目指しています。世界のIT企業のトップは、高等教育機関と提携する主な方法として、学生インターンシップの提供(42%)、高等教育機関との共同研修プログラムの実施(41%)、大学・カレッジのキャリアフェアへの参加(37%)、学位実習プログラムにおける提携(34%)を挙げています。

エクイニクスの法務・人事担当最高責任者である Brandi Galvin Morandi は次のように述べています。「この調査により、技術に特化したチームにおいて、世界的にスキルセットが一致しないことが人材獲得の妨げになっていることが明らかになりました。特定の職務に必要な具体的なスキルについて全体的に理解が不足しており、潜在的な候補者は、トレーニング、準備、就職機会に関するより良いガイダンスを必要としています」

「この課題は、私たちの業界に、さまざまな方法で人材を採用し、育成する機会を与えるものであり、私たちは過去数年間、この課題に先んじて取り組んできました。企業は、未経験者と訓練された候補者の両方に対応する、技術職のための進歩的な人材開発ロードマップを育成するべきだと考えています。また、潜在的な候補者がキャリアガイダンスのために確立されたネットワークにアクセスできるようにする一方で、企業と適切な候補者を結びつけ、強力な人材プールを作ることも重要です。また、高等教育機関や職業訓練機関が企業内の技術チームと協力し、カリキュラムによって学生に適切なスキルを与え、希望する職業に就けるようにすることも奨励しています」

エクイニクスのEMEA IBX事業担当上級副社長Gary Aitkenhead氏は、次のように指摘しています。「スキルギャップはテクノロジー業界全体に存在しますが、変化のスピードが速いため、常にスキルアップと人材拡大が必要な運用業務では特に深刻です。エクイニクスでは、現在の従業員が必要なスキルを身につけるための包括的なトレーニングプログラムを実施していますが、適切なスキルセットを持つ新入社員を見つけることはより困難です。結局のところ、データセンター業界におけるキャリアの可能性を認識している人が少ないのです。この問題を解決するため、エクイニクスはヨーロッパでさまざまな取り組みを試みています。たとえば、英国ではI am Remarkableプロジェクトなど、多様なバックグラウンドを持つ人々がキャリアギャップ後に職場に復帰できるよう支援するキャリア転換プログラムを実施しています」



Digital Infra Network( Michael Nelson 記者)より抄訳・転載



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