
KDDI、さくらインターネット、ハイレゾが国内でGPUシステム構築へ
GPUの安定的かつ迅速な利用を可能にするシステム開発を目指す
さくらインターネット、KDDI、ハイレゾの3社は、日本におけるGPUの需要に対応するための覚書(MoU)を締結しました。
3社は「GPUの安定的かつ迅速な相互利用 」を実現し、「急増する需要に柔軟に対応できる体制 」を構築する予定です。
3社はいずれも、経済産業省から経済的安全性確保促進法に基づく「特定重要物資のクラウド化に係る供給確保計画」の認定を受けており、既に顧客に対してGPUコンピューティングの利用を提供しています。
3社は、「企業間アライアンス」を通じて、GPUの相互利用や顧客紹介を推進します。
さらに、KDDIの大阪堺データセンターにおいて、Nvidia GB200 NVL72を搭載した共同利用システムを構築し、さくらインターネットの生成AI向けクラウドサービス「高火力」とGPUクラウドサービス「GPUSOROBAN」を導入します。
このように国内のスタートアップやAI開発企業に計算リソースを提供することで、日本の生成AIを支援することを目指します。
KDDIの代表取締役執行役員副社長、ビジネス事業本部長である桑原 康明氏は、次のように述べています。「AIが社会インフラとして重要性を増すなか、GPUの安定的な提供は不可欠です。さくらインターネット、ハイレゾと協業することで、多くのお客さまやスタートアップ企業、AI開発企業に最適なGPUを提供し、国内産業の発展と競争力強化に貢献していきます。」
また、ハイレゾの志倉 喜幸CEOは、「今回の合意により、AI開発を支えるGPUインフラを強化し、国内の技術革新と経済成長に貢献してまいります。日本が世界で最も安価なAIコンピューティングパワーを持つ国になることを目指し、AI開発基盤の整備に取り組んでまいります。」とコメントしました。
KDDIの大阪堺データセンターは、2025年度の運用開始を目指して現在開発中で、大阪の液晶スクリーン製造工場跡地で開発が進められています。KDDIはTelehouseの親会社で、アジアを含む世界各地でデータセンターを運営しています。
さくらインターネットも自社のデータセンターを運営し、さくらのクラウド、さくらのレンタルサーバ、さくらのVPSなどのサービスを提供しています。
さくらは先日、石狩データセンターにさらなる投資を行い、「3号棟CゾーンおよびDゾーン」を拡張することを明らかにしました。同社によれば、これは「クラウドサービスの継続的な成長に向けたバッファ容量の確保と、将来的な大規模需要の可能性を見越したもの」とのことで、合計で53億円の投資を計画しています。
同社は以前、2024年11月に石狩データセンターを拡張し、数万台のGPUを収容できるようにしました。石狩データセンターは、5万平方メートルの敷地に5棟のビルを擁し、6,800ラックを収容できます。最初の2棟は2011年に完成し、3棟目は2016年に稼動しています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
この記事へのコメントはありません。