三菱電機、数十年にわたる品質管理試験で不正を行っていたことを認める

22kW以上の変圧器を適切な試験を受けずに出荷

三菱電機は、工場が数十年にわたり品質管理試験で不正を行い、安全性や性能の基準に達していない変圧器他の機器を出荷していたことが全社的な調査で判明したため、新しい取締役を任命する予定であると発表しました。

Nikkei Asiaによると、4月に行われた外部調査により、製品が出荷される前に結果が改ざんされていたことが報告され、その後のさらなる調査で、同社の日本国内工場の7割で不正が行われていたことが判明しました。今週、三菱電機は、組織風土の改革と改善を推し進めるため、フレッシュな候補者を取締役として選出したと発表しました。

尚、三菱電機の杉山武史社長は、この不祥事が明るみに出た2021年7月に引責辞任しています。

Changes for the better(約束)

同社は2021年7月に外部調査を受け、2022年4月に「兵庫県赤穂市にある三菱電機の送配電システムセンターで製造した定格22KV 2MVA以上の変圧器の検査において、電気規格調査会(JEC)、国際電気標準会議(IEC)、Institue of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)の規格への準拠を求めた顧客要求の試験基準に完全に適合していないものが複数あったことが判明した」との報告書を受理しました。また、調査委員会は、検査報告書に不適切な記載があることも確認しました。

その後、さらなる報告書で不正が横行していることが判明し、今週、同社は調査委員会を開き、2022年6月29日の株主総会に提案するフレッシュな取締役候補を取りまとめたとのことです。

三菱電機によると、問題が判明した時点で製品の出荷を停止し、対象製品について顧客に通知しています。同社は現在、検査が確認された製品のみを出荷しています。

この不祥事は社内で提起されたもので、顧客からの苦情(最悪負傷者が出る)には至っていないようです。三菱は、必要に応じて出荷された製品の特別点検を行うことを申し出ています。

Bleeping Computerは、三菱電機の一連のリリースのリンクを提供しており、この問題は22kV 2MVA以上の定格変圧器を含む製品に影響し、また以前から横行していたことを認めています。

特別高圧以上の変圧器製品については、1982年から2022年3月までに8,363台の製品が出荷されており、このうち3,384台が適切に検査されていなかったといいます。不具合の可能性がある製品のうち、約半数が日本国内に、半数が海外に出荷されていました。

この不正行為には、規格で定められているよりも低い電圧で誘電体試験を意図的に行い、高い電圧を使用したと顧客向けの試験報告書に記載することが含まれていました。これらの試験では、部分放電の測定値についても誤っていました。

また、工場での試験で変圧器の温度と負荷損失が最低保証値を超えていたにもかかわらず、試験報告書に誤った結果を記入していたケースもありました。

三菱電機は、不正の全容に関する最終報告書を待っている段階ですが、調査に全面的に協力することを約束しています。同社は、この問題が収益に影響するとはないと考えているようです。

一方で、同社のタスクフォースは、新しい組織風土の創造を試みています。また、企業スローガンを「Changes for the Better」から「Changes for the Better start with ME」に一新しました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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