オラクル、医療IT企業Cernerの300億ドル買収に迫る

オラクルが、米国の医療情報技術サービス、機器、ハードウェアのサプライヤーであるCerner(サーナー)の買収に間もなく合意します。

ウォールストリート・ジャーナルは、本件に詳しい関係者の話を引用して、買収額は約300億ドル相当になるとみられ、オラクル史上最大の買収案件になると報じています。

Cernerは、病院向けにコンピュータ化された医療システムや電子カルテの開発を行っており、Epic Systems Corp(エピック・システムズ社)やAthenahealth Inc(アテナヘルス社)と競合しています。

米国の退役軍人の2350万件の健康記録を含むこれらのデータの多くは、歴史的にCerner社の自社データセンターに保管されてきました。しかし2019年、同社は一部のワークロードをAmazon Web Servicesに移行する計画であることを発表し、クラウドへの移行を開始しました。

当時、Cernerの会長兼CEOであったブレント・シェーファーは、「アマゾンやAWSとの連携は、Cernerの新たなページに向けた重要な要素である」と述べていました。

「私たちがCernerの変革に取り組む中で、アマゾンおよびAWSと力を合わせることで、Cernerをより俊敏にし、より迅速かつスケーラブルかつ安全なソリューションを顧客や患者に提供するという私たちの戦略を後押ししてくれる。今回のアマゾンおよびAWSとのコラボレーションにより、ヘルスケアの未来をリードし、変革するイノベーションの新しい波が生まれることを期待している」

Oracleの買収に伴い、このパートナーシップは終わりを告げ、同社は(AWSの)競合となるOracleクラウドプラットフォーム上で運営していく形になります。

大手クラウド企業はいずれも、収益性の高い成長分野であるヘルスケア業界のワークロードをめぐって競争しています。今年、マイクロソフトはヘルスケアAI企業のニュアンスを197億ドルで買収し、一方AWSは UK National Health Service(英国国民保健サービス)から多数の契約を獲得するなど、その数は数え切れないほどです。

グーグルもヘルスケア分野に目を向けていますが、牽引役になる上で苦戦しています。昨年、Cernerの競合であるEpic Systemsは、医療システム顧客の関心が低いため、Google Cloudの利用を停止すると述べていました。

今年、Google Healthのトップは辞任し、CernerのCEOとしての新たな任務に就きました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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