Telesat、新衛星ブロードバンド通信網構築にThalesと提携
カナダの衛星通信事業者であるTelesatは、 高速ブロードバンド衛星の新しいコンステレーション(星座)構築に向けて、Thales Alenia Spaceと提携しました。
Lightspeed Low Earth Orbit(LEO:地球低軌道)コンステレーションは、合計15Tbpsの容量を持つ298基の衛星群(各衛星の重量は700kg)で構成されます。Telesatは単一ターミナルで最大7.5Gbpsを提供し、単一ハブ拠点で最大20Gbpsを提供します。同社は、固定及びモバイル通信事業者、航空及び海事系ユーザ、ならびに企業顧客や政府に向けてのサービス提供を目指しています。
製造契約は約30億ドル規模と見られ、Thalesはプロジェクトにおいて、宇宙分野とミッションセグメント、およびシステムのエンドツーエンドでのネットワークパフォーマンスを担当します。同社は主に既存のフランスの施設で製造される衛星を毎週約1基納入し、必要に応じてヨーロッパとカナダに施設を拡張する可能性があります。尚、ジェフ・ベゾスのBlue Originが、衛星群の打ち上げ能力の一部を提供する予定です。
Telesatの社長兼CEOであるDan Goldberg氏は、次のように述べています。「世界で最も先進的で能力の高いLEO通信網であるLightspeedでThales Alenia Spaceと共に前進できることを非常に嬉しく思っている」
「最先端のグローバル衛星コンステレーションの製造や導入における世界的リーダーとして、Thales Alenia Spaceは、衛星配信ブロードバンドに革命をもたらし、我々Telesatとその顧客にこの高成長市場で決定的な競争力をもたらす完全一体型グローバル通信網のLightspeedを提供する適切な産業パートナーである」
低軌道の混雑が進む中、加速するインターネット宇宙開発競争
Kaバンドスペクトルで運用される最初のLightspeed衛星は、約2年後に打ち上げられ、2023年の後半に運用開始が予定されています。このプロジェクト全体では50億ドルの費用がかかると見られています。
「Lightspeedという名前は、TelesatのLEO設計が持つ本質的な速度面での優位性を強調している」とGoldberg氏は付け加えています。「Lightspeedは、歴史上最も技術的に優れた衛星通信網であり、宇宙ベースのデータ処理、レーザー通信、デジタルアンテナ技術、機械学習などの最新技術を活用している」
Telesatは、衛星ベースの接続性の向上を目指している数多くの企業の1社であり、LEOから高速インターネットを提供しようとする競争は近年大幅に加速してきています。SpaceX社のStarlinkはすでに数千の小型衛星をLEOに打ち上げていますが、そのコンステレーションは主に一般消費者向けブロードバンドに焦点を合わせています。AWSのProject Kuiperは、1,000基を超える衛星の立ち上げを目指しており、LTEおよび5Gサービスを新たな地域に拡張する、ワイヤレスキャリア向けの バックホール ソリューションの提供を目指しています。
計画は縮小されましたが、OneWebは依然として数百の衛星をLEOに打ち上げ、ブロードバンド接続を提供しようと計画しています。Bryceのレポートによると、過去10年間で1,700を超える小型衛星が打ち上げられ、現在軌道上では2,400基を超える衛星が運用中であると報告されています。PlanetとSpaceXは、打ち上げられた小型衛星の半数以上を所有しています。
ただし、すべての高高度インターネット計画が成功するわけではありません。先月、Googleの親会社であるAlphabetは子会社Loonを閉鎖しました。ブロードバンド気球プロジェクトは、農村やサービスの行き届いていない地域にインターネット接続を提供する目的の計画でした。
Data Center Dynamics
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