OCP、シリコンパッケージや光学系のオープン化に取り組むと約束

10年が立ち、OCPは次の10年に向けての目標を設定

データセンター用のオープンソースハードウェアの定義を行っているOpen Compute Project(OCP)は、次の10年間の作業項目を設定しました。

OCPの会長を務めるレベッカ・ウィークリー氏は、次のフェーズを「OCP 2.0」と表現し、オープンなシリコンパッケージや、データセンターキットへの光デバイス統合に向けての標準化などに取り組むと約束しています。OCPのブログ記事によると、OCPはAIアプリケーションにも目を向け、冷却、ネットワーク、ラックなどの定番分野における新技術の展開を容易にするための標準化を引き続き推進していくとしています。

OCP 2.0

OCPは、 ハイパースケールデータセンター で生まれた設計アイデアを業界全体で使用できるよう共有する目的で、2011年にFacebookによって設立されました。このオープンソースハードウェアのアイデアは、機器のコストを下げることと、新技術を実現することを目的としています。現在では、Google、Microsoft、Huawei、Inspurなど40社以上の主要メンバーに加え、約350社の小規模な協力企業らが参加しており、この団体は、小さいながらも一般市場で重要な割合を占めるサーバーの設計を確立しています。2年前のOCPが委託したIHS Markit社の調査によると、OCPのオープンソースデザインを採用した製品は、メーカーに25.6億ドルの収益をもたらしたという報告がありました。

ウィークリー氏は、OCP理事会の会長を務めていますが、本業はインテルのハイパースケール戦略・実行担当VP兼シニアエンジニアです。彼女がブログで紹介しているプロジェクト「Open Silicon」では、事業者がリファレンスプラットフォームを迅速に構築できるよう、共同パッケージのための標準インターフェースを定義しています。また、AIや機械学習のインフラを標準化することで、AIを大規模に学習させ、よりユビキタスにすることができると述べています。4つ目のポイントは、データセンターの効率化に欠かせない「冷却」で、OCPは液浸式とコールドプレート式の標準化に取り組んでいます。

OCP には現在12のプロジェクトグループがあり、サブプロジェクトではデータセンター製品やベストプラクティスの確定やアイデアの共有を行っています。

OCP 2.0フレームワークと共に、OCPの戦略と目標を進化させるこの旅はエキサイティングです」ウィークリー氏は言います。「現在の市場ニーズに対応するだけでなく、将来のオープンソース・ハードウェアのイノベーションを促進するためにコミュニティのフォーカスを移すことは、IT業界全体の成功に不可欠です。新たに定義されたOCP 2.0憲章と、オープンコンピュートの次の10年に向けて、私たちが何を提供できるか楽しみにしています」

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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