スウェーデンのSMR開発企業Blykalla、データセンター向け電力供給計画を推進し5000万ドルを調達

出資者には米国のSMR企業Okloも含まれる

スウェーデンの小型モジュール炉(SMR)スタートアップであるBlykallaは、鉛冷却型SMRの開発を加速させるため、5000万ドル(約4200万ユーロ)の資金調達を完了したと発表しました。今回の資金調達は、データセンター分野からの需要拡大に対応することを主な目的としています。

この資金調達ラウンドは、米国のSMR開発企業であるOklo、スウェーデンのNorrsken Launcher、そしてArmada Investment AGが共同で主導しました。Okloは、現在開発中のSMRから電力を供給することを目的として、複数のデータセンター事業者と(多くは拘束力のない)契約を締結しています。同社はこれまでにEquinix、Switch、Prometheus Hyperscaleと合意しています。

Blykallaによると、今回調達した資金は、Oskarshamn原子力発電所近郊にある最新型炉試験サイトにおける試験および検証作業の拡大、初号炉ユニットの設計およびエンジニアリングの推進、ならびに設置候補地の確保や必要な認可取得に向けた商業面および規制対応の前進に充てられる予定です。

同社は、系統連系電源および産業用熱供給の双方を想定した、55MWのモジュール型設計であるSealer-55を開発しています。

今回の最新の資金調達は、デジタルインフラを電力供給するためにスウェーデン国内での導入可能性を模索してきた取り組みに続くものです。

10月には、Blykallaはスウェーデンのクラウド開発企業であるevrocおよび原子力サービス事業者であるStudsvikとともに、NyköpingにあるStudsvikの認可済み原子力サイトにおいて、スウェーデン初となる原子力電源データセンターの可能性を評価するためのMoUを締結しました。

このパートナーシップは、同サイトにおいてハイパースケールデータセンターとSMRを同一敷地内に併設する技術的および商業的実現性を評価することを目的としており、自治体との協議や、想定される商業的な電力購入契約の枠組み定義も含まれています。現在は、サイトおよびビジネスモデルを検討するための合同運営委員会が設置される予定です。

過去1年の間に、欧州市場では複数のデータセンター事業者が、将来的にSMRセクターから電力を購入するオフテイク契約にコミットしています。特に8月には、グローバルなコロケーション事業者であるEquinixが、オランダのULC-EnergyおよびフランスのStellariaと提携し、両国で計画されているSMR開発から電力をオフテイクする取り組みを進めました。

これに先立ち3月には、欧州のデータセンター事業者であるData4が、WestinghouseとMoUを締結し、Westinghouse Electric CompanyのAP300 SMRを用いて将来の欧州データセンターに電力を供給する可能性を検討すると発表しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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