OVHcloud、IPOに向けて3銀行を選定したと報道
OVHcloudが、フランス株式市場への上場を管理する3銀行を選定したと報道されています。
フランスのクラウドプロバイダーOVHcloudは、先日ストラスブールにあるデータセンターの1棟を焼失させるという大惨事に見舞われましたが、今年初めに発表された計画によると、今年の後半にユーロネクストで新規株式公開(IPO)を行う予定でした。Global Capitalの取材に応じた情報筋によると、このIPOはBNP Paribas、Citi、JP Morganの3銀行の協力を得て行われるとのことです。
火災事故でもIPOは止められない?
OVHcloudは3月にIPOを発表しましたが、その翌日に火災が発生し、ストラスブールSBG2データセンターを焼失させ、SBG1も使用不能となりました。火災発生後、同社は顧客向けサービスの復旧に注力し、将来的には レジリエンス 力のあるクラウドサービスを提供すると約束しています。IPOに向けての進展については何もコメントしていません。
一方、OVHcloudの創業者であり会長のOctave Klaba氏は、OVHcloudの80%株式を一家で保有していますが、ストラスブールでの災害復旧作業の管理を休み、倒産したゲーム会社BladeとそのクラウドゲームサービスShadowを買収するという個人的な事業を行っています。Klaba氏のツイッターには、ストラスブールでの事件を鎮静化させるメッセージと、今後のShadowの提供に関するエキサイティングな公約が混在しています。
フランスの金融業界は、このIPOが実現すれば今年最大級の規模となるため、大きな関心を持って注目しています。2020年は、当然のことながら活動は低調で、1億5000万ユーロ以上の規模のIPOは、2MX OrganicというSPAC(特別目的買収会社)1社のみでした。また2月には、Hydrogen Refuelling Systemsが9,700万ユーロで上場しています。
昨年のパンデミックを受けて、フランスではいくつか大規模な分社化の動きが起きています。製薬会社のSanofiは、Covid-19をきっかけに、2022年までに材料事業部門をスピンアウトさせ、10億ユーロの収益を上げる会社を作りたいと考えています。また、フランスの電力会社Engieは、市場の状況次第としています。
OVHcloudは、IPO計画について何もコメントはしていませんが、ストラスブールの火災の原因に関する最終報告書は2022年まで公表されないとしています。この遅れは、原因究明の報告書に政府が関与していることが原因のようです。しかし、もし今年中にIPOが行われるとすれば、同社はダメージを与えるかもしれない報告書を抱えた中、IPOを行うことになります。
Data Center Dynamics
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