ロシアがウクライナの通信インフラに与えた被害額は少なくとも17億9000万ドル相当

8月までの報告で、現在はもっと高い数字になっていると思われる

国際電気通信連合(ITU)によると、ロシアがウクライナに侵攻して以来、ウクライナの通信インフラに少なくとも17億9000万ドル相当の損害を与えているとのことです。

ロイターの報道によると、国連のITUは、ウクライナの通信セクターを戦前の水準に回復するには少なくともこの金額が必要だとし、ロシアが同国の一部のネットワークを「完全に破壊したか、占領」したと主張しています。

この報告書は、昨年2月からのロシアの侵攻によってウクライナの通信ネットワークがどの程度破壊されたかを評価するために、4月に委託されたものです。

この報告書は、戦争が始まってから半年間しかカバーしていませんが、ウクライナの24地域のうち10地域以上で、通信インフラにかなりの損害と破壊があったことを明らかにしました。

「軍事攻撃の開始以来、自国の利益やニーズに合わせて施設を利用する目的で、侵略者はウクライナの一時占領地や戦災地における公共および民間の地上通信・重要インフラの通常運用を完全に破壊するか奪取した」と報告書は伝えています。

報告書によると、「ウクライナの移動体通信サービスを提供する事業者7社のうち3社、固定インターネットサービス事業者4,482社のうち961社が占領下にある」と推定されています。2022年7月時点で、12.2%の家庭が移動体通信サービスを利用できなくなり(3.1%は部分的に)、移動体通信事業者の基地局の11%が使用不能となったほか、同国の通信インフラの20%が損傷または破壊され、通信施設、ネットワーク、システム、機器の「直接被害」は7億1000万ドルと見積もられています。

ジュネーブのロシア外交団の関係者は、この報告書の疑惑について、ウクライナがロシア占領地で行った不特定の「残虐行為」から注意をそらすためのものだとして、これを否定しています。

ITUは、先月ひっそりと発表されたこの報告書について、公式にはコメントを発表していません。

ITUはロイターに対し、報告書は「マネジメント側が完全であると判断した後」12月23日に公開されたとし、評価の結果はウクライナへの技術支援の結集に役立つと付け加えています。

報告書では、国連機関が定めたウクライナのダイヤルコードを、ロシアが一方的にロシアのものに切り替えたことや、ウクライナに対するサイバー攻撃が1,123件あったことなども指摘されています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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