トランプ大統領が「AIには現在の2倍のエネルギーが必要」と電力増強宣言

データセンターの電力倍増と混同か

トランプ大統領は、AIデータセンター用の発電所を承認するためにエネルギー緊急事態宣言の権限を使うと述べました。

大統領は、先週木曜日(1月23日)に開催された世界経済フォーラムにて、以下のように語りました。「私たちは、工場に発電設備を併設するようにするつもりです。彼らはユーティリティーの心配をする必要はありません。」

また、環境レビューや地元との協議などのために承認を待つ期間を、数年節約できるとしました。

「そして大きな問題は、現在米国にあるエネルギーの2倍が必要だということです。想像できますか?AIを私たちが望むような大きなものにするためには、現在米国にあるエネルギーの2倍が必要だということです。」

「だから、私は非常事態宣言を発令するつもりです。そうすれば、彼らはほぼすぐに建設を始めることができます。」

新大統領は、就任初日に広範なエネルギー緊急事態を宣言した後、この状況が緊急事態であることを改めて強調し、その権限は「この問題から脱却するために必要なことは何でもできる力がある」ことを意味すると述べました。

米国の総消費電力が倍増するという彼の主張は、データセンターの最も楽観的な予測とも一致しません。何年も安定した電力消費を続けてきたデータセンターは全米の電力消費量に占める割合が増え始めています。

エネルギー省の調査によると、データセンターが2023年に使用する電力は全米の4.4%で、2028年には12%にまで増加する可能性があるとのことです。

このような試算は、トランプ大統領が今週、今後4年間でAIデータセンターに5,000億ドルを投入する取り組みとされるStargateの陣頭指揮をOpenAIが執ると発表する前に行われました。OpenAIは以前、1,000億ドル、5GWの施設を提案していましたが、これは25GWの新規消費に相当し、この割合をさらに押し上げることになります。

しかし、米国の総電力量の倍増とはならないでしょう。米国エネルギー情報局の推計によると、2023年の米国の電力網の最大定格容量は1280GWとされています。

DOEやStargate、あるいはトランプ大統領による成長予測を達成するために、大統領はサウジアラビアや他のOPEC諸国は 「石油コストを下げるべきだ 」と述べました。

また、データセンターは「彼らが望むエネルギー源から電力を供給でき、バックアップとして石炭があるかもしれない」と述べ、「クリーンな石炭」の概念を誤って推進していると述べました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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