インドのデータセンター、2021年に20億ドル超の投資額を計上。ナイトフランク調べ
インドの大手グローバルコンサルタントの1つであるナイトフランク(Knight Frank)は、最新レポート「Investments in Real Estate-Trends in Private Equity investments in India (Q1 2022)」(不動産への投資~インドにおける未公開株式投資の動向) において、インドのデータセンターへの未公開株式(PE)投資が大幅に増加していることを明らかにしました。
このセクターへのPE投資総額は2021年に2億2,900万米ドルを記録し、2016年に受けた投資と比較すると259%もの大幅な増加となりました。このセクターは、2021年にインドの不動産セクターが受けた全PE投資の26%のシェアを占めました。
2011年以降、インドにおけるデータセンターへのPE投資総額の約96%が外国人投資家によって行われました。
インドにおけるデータセンターの成長は過去5年間で著しく、コロケーション、ハイパースケール、マネージドサービスからエッジデータセンターなど、様々なカテゴリーの設立に不動産プレーヤーだけでなくPEファンドからの投資も行われています。
2021年の総投資額シェアでは、データセンターが倉庫や住宅を抑えて第2位となりました。ムンバイ、チェンナイ、ベンガルール、ハイデラバードといった大都市やティア1都市が中心ですが、プネーやインドールといった他の地域も投資家の関心を集めているといいます。
2011年以降の累積投資額は、ムンバイが8億5,100万ドルで最も多く、次いでベンガルールが4億2,700万ドル。デリーでは、同期間に2億3500万ドルのデータセンターへのPE投資が行われました。
ナイトフランクインディアの会長兼マネージングディレクターであるShishir Baijalは次のように述べています。 「インドではデータ量に対するデータセンターのキャパシティが低く、データセンターの増設の余地があります。今後、インドではデジタル決済への依存度が高まり、データ消費が増え続け、eコマースの利用が急増するため、デジタルインフラの強化が必要となります。」
PE投資総額の増加
インドの不動産へのPE投資総額に占めるデータセンターのシェアは、2016年から2021年にかけて大きく上昇しました。
オフィス、住宅、小売、倉庫、データセンターの5つのアセットクラスへの投資総額は84億米ドル(約84億800万円)を記録しました。このうちデータセンターの総シェアは26%、22億インドルピー(22億900万円)を記録しました。
さまざまな業界でデータの生成と消費が大幅に増加しているため、データサーバーとデータセンターの需要が世界的に急増しています。110カ国のCloudsceneのデータによると、2022年1月現在世界には8,347のデータセンターが存在します。
このうち、米国(33.1%)、英国(5.8%)、ドイツ(5.5%)、中国(5.4%)、カナダ(3.9%)の上位5カ国には、50%以上のデータセンターが集まっています。インドが占める割合は1.5%です。
ムンバイは、アジア太平洋地域におけるデータセンター容量の急激な増加を記録し、2021年第1四半期に56MWの供給を追加しました。ナイトフランクの「Data Centre Report 2021」によると、総供給量は753MWに達しています。同レポートは、データセンターの調査・分析プラットフォームであるDC Byteとの提携により発行されました。
同レポートによると、デジタルサービスの流行が影響して、2020年には新規供給が加速し、開発パイプラインに252MW(50%)が追加されたとのことです。これにより、2020年の総供給量は697MWに増加しました。2016年から2019年の間に、ムンバイのIT電源容量は148MWから456MWに増加しました。
さらにアジア太平洋市場では、2020年と同様のペースで800MW強を記録したことを反映して、12021年第1四半期に総供給量が約200MW増加し、地域全体で5800MWの総供給量となりました。
W.Media ( Anuradha Nagar )より抄訳・転載
コメント ( 0 )
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。