
アラスカ航空がデータセンター障害で一時全便停止
運航を再開するも影響の完全解消には時間を要する見込み
米国のアラスカ航空は、7月20日にデータセンターの障害により、約3時間にわたり全便が運航を停止しました。
ロイターの初報によると、IT障害の後、太平洋時間午後11時から運航を再開することができました。本稿執筆時点では、問題がデータセンターに関連しているかどうかは不明です。
シアトルに本社を置くアラスカ航空は、次のように発表しました。「航空機と乗務員の再配置を進める中で、便への影響が残る可能性があります。全体の運航を通常通りに戻すには、しばらく時間がかかる見込みです。」
その後、障害の原因について「サードパーティによって製造された、データセンターの多重冗長ハードウェアの重要な部分が予期せぬ障害を起こしたことが原因です」と説明しました。ハッキングや、最近のマイクロソフトのサーバーソフトウェアへの攻撃とも関連していませんでした。
この故障により、アラスカ航空の主要なシステムが複数停止し、現在はベンダーと協力して故障したハードウェアの交換作業を進めています。
同社の2024年の年次報告書によると、シアトル・タコマ国際空港付近の所有または賃貸している複数の建物の中にデータセンターを運営しています。さらに以下の都市にも運航・訓練・管理・データセンター施設を賃貸しています。カリフォルニア州バーリンゲーム、ロングビーチ、ハワイ州ホノルル、オレゴン州ポートランド、ワシントン州ピュアラップ、クインシー、レントン、シアトル、スポケーンです。
今回の障害による影響は、シアトルのハブ空港を中心に、米国内の他の空港にも広がりました。
先月、アラスカ航空グループ傘下のハワイアン航空がハッキング被害により、ITシステムの障害を受けました。
航空業界では、IT機器やその他のデジタルインフラに障害が発生すると、深刻な影響を受けることが多くあります。
2024年7月には、世界的なCrowdStrikeの障害により複数の航空会社が影響を受け、デルタ航空は特に深刻で、6,000便以上の欠航を余儀なくされました。
その年の後半には、ブリティッシュ・エアウェイズが技術的な問題によりヨーロッパ全域で便の遅延を経験しました。同社は過去にも度重なる障害に見舞われており、2023年には175便以上が欠航、2022年12月には長距離便の多くが別の障害で影響を受けました。さらに同年2月には、短距離便が長期かつ深刻な障害により運航停止となりました。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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