TSMC、中国に28億ドルを投資、EUとは予備協議中
TSMCが、中国で28億ドルを投じて自動車分野向けのチップ製造を計画しています。
同社は一方で欧州での生産拡大についてもEUと協議していますが、決算説明会では、主に台湾での生産に注力する計画であることを認めました。
自動車業界への救済措置はまだまだ時間がかかる
世界最大のサードパーティ・チップメーカーである同社は、南京の既存工場に新たな生産ラインを設置し、28nmの自動車向けチップ製造を行うとしています。
この投資は、世界的なチップ不足の影響で工場の操業休止を余儀なくされている自動車業界にとっては朗報となります。
しかし、新工場のラインは他の投資と同様、2023年までは稼働しないため、半導体危機は今後何年も続く可能性があると同社は警告しています。
欧州では、将来の供給不足を回避するためにも、国家安全保障の観点からも、EUは同社を口説いて欧州国内での製造能力を高めようと試みています。
EU内市場に責任を持つ欧州委員会理事のThierry Breton氏は、今週金曜日にインテル、そしてTSMC欧州部門のMaria Marced社長の双方と会談を行う予定です。
今年初め、EUはCovid-19の経済衰退から立ち直るために、2兆ドル規模の野心的な計画を打ち出しました。その中には、1,500億ドル規模の「Digital Compass(デジタル・コンパス)」構想があり、その目標の一つとして、2030年までに世界の半導体の10%から20%以上(金額ベース)を生産することを掲げています。
米国もTSMCを獲得しようとしており、同社は多額の税制優遇措置を受け、120億ドル規模の工場をアリゾナ州に建設することになっています。米国は、数百億ドルを投じて国内チップ生産の強化を計画しています。
TSMCのMark Liu会長は、この2つの取り組みを “経済的に非現実的 “であるとしいます。
今週行われた決算説明会で、TSMCのCEOであるC.C.Wei氏は、「現在のところ、ヨーロッパなど他の地域での更なる工場拡張計画はない。しかし、その可能性を排除したわけではない」と述べていました。
今週、台湾のWang Mei-hua経済大臣は、台湾はTSMCの主要なハブであり続けると述べました。「TSMCは、最先端の技術は間違いなく台湾を中心に生産されると繰り返し述べている。台湾とEUがどのように協力するかについては、企業の取り決めや考慮事項があるが、議論することは可能だ」
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