あつ森でデータセンターを学ぶ【特集】

ファイバーケーブルダクト

ファイバーケーブルダクト

データセンターの各ラックには電源ケーブル、通信用ネットワークケーブルなどの様々な種類のケーブルが引き込まれます。そして各ケーブルは種類別に個別の配線ルートが設けられます。

今でも多いパターンとして、電源ケーブルは床下で、ネットワーク通信用ケーブルはラックの上部を走るラダーと呼ばれる梯子状ケーブルトレイに配置されます。しかし、銅製の頑丈なメタルケーブル(よくあるLANケーブル)と、繊細な光ファイバーケーブルを同じルート上に配線させる事は出来ません。

よって一般的には光ファイバーケーブル専用のルートとしてファイバーケーブルダクト(一般的には「注意」する意味も込めて黄色が多い)が設けられます。この事で繊細な光ファイバーケーブルを他から保護しつつ、メンテナンスも行いやすくなります。

バスダクト

ラックの上に設置されているのがバスダクト

このように、近年のデータセンターでは電源ケーブルは床下、通信ケーブル(メタル、光ファイバ)はラックの上に配置する構成が一般的でしたが、最新のデータセンターでは、電源ケーブルに代わりバスダクト ( バスバー 、バスウェイとも呼ばれます)という製品をラックの上部に配置する構成が増えてきています。
バスダクトは電源ケーブルよりも大容量の電気を流せることが特徴の製品で、近年使用電力が増加傾向にあるラックへの給電に適しています。

バスダクトのメリットは他にも省スペース化や、漏洩電磁波が少ないなど数多くあります。その中で最も大きなメリットは、活線中でもプラグインボックス(遮断機内蔵ボックス)の取り付けで簡単に電源の取り出しができることです。そのため、ラック内機器の高性能化に伴い電力容量が増加した場合、迅速に対応することができます。もちろん、移設についても同様です。

【参考製品】共同カイテック バスダクト電力幹線システム

局所冷却

InRow冷却ユニット

サーバールーム内の各ラックには様々な種類の機器が装備されています。高性能なサーバー、あるいは高密度に搭載されていたりすると、サーバーからの排熱でその周辺が局所的に暑くなることがあります。このいわゆる「熱だまり」は、空調効率を下げてしまい、環境に優しくありません。そこで、熱だまりなどを効率的に解消するのに局所冷却が用いられることがあります。

その局所冷却の一つの方式である In-Row冷却 方式は、「アイル分離」されたラック列のラックとラックの間に空調機を配置します。

In-Row空調機は一般にサーバーラックと似た形をしており、サーバーラック列内に違和感なくレイアウトすることができます。背面側に排出されたサーバーの排熱を、ファンと冷却ユニットで冷やし、冷たい空気を前面側に排出します。In-Row方式のメリットは、サーバールーム内のスペースを無駄なく利用できることと、空調機を発熱源であるサーバーに近付けられるので、効率の良い冷却が実現できる点です。

また、室外機が一体化されているIn-Rowシステムもあり、その場合、既存の小規模サーバルームで配管工事などの改修工事を行うことなく、熱だまりの解消や空調効率の改善を行えたりできます。

【参考製品】シュナイダーエレクトリック InRow空調機シリーズ

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