MicrosoftとG42がケニアに地熱を利用したデータセンター建設
東アフリカ諸国への10億ドル投資の一環
Microsoftと、ドバイを拠点とするAI企業G42による10億ドルの投資の一環として、地熱エネルギーのみで運営されるデータセンターが、ケニアに建設される予定です。
両社とケニア政府は、ケニアのデジタル経済を活性化させるため、多くの施策からなるこの投資を、確認する趣意書に署名をしました。
Microsoft、ケニアに地熱データセンターを計画
そのひとつが、ケニア南西部のオルカリアに、データセンターキャンパスを建設することです。これは、今後2年以内に稼動し、初期容量は100MWになる予定です。これは最終的に、1GWまで増加する可能性があると両社は述べています。
このデータセンターは、地殻の下に自然に蓄えられている熱を利用し、地熱エネルギーによって運営する予定です。オルカリア地域には、豊富な地熱資源があり、ケニアの国営エネルギー供給会社であるKenya Electricity Generating Companyは、同地域で4つの地熱発電所を運営しており、その設備容量は70万kWを超えています。このデータセンターには、「最先端の節水技術」も導入されるとMicrosoftは説明していますが、その仕組みの詳細については、触れていません。
Microsoftはまた、東アフリカのクラウドリージョンを立ち上げ、スケーラブルでセキュアな高速クラウドと、AIサービスへのアクセスを顧客に提供し、ケニアと東アフリカ全域のクラウド導入と、企業、顧客、パートナーのデジタルトランスフォーメーションを加速させ、今後2年以内に、運用される予定です。
この趣意書は、ケニアのWilliam Samoei大統領が、今週訪米した際に署名されました。
同氏は、次のように述べました。 「このパートナーシップは、テクノロジーそのものよりも大きなものです。テクノロジーによって力を与えられ、すべての国民がグローバルで、デジタルな世界で活躍する機会を、得られる国という共通のビジョンを持つ3か国がひとつになることです。それは、ケニアがデジタルリーダーとして繁栄する未来を築くことです。」
ケニアのインターネット接続を強化
MicrosoftとG42はまた、ケニアの情報通信・デジタル経済省と協力し、ケニア全土のインターネット接続を強化します。G42と、そのUAEエコシステムパートナーは、ケニアの国際および国内海上・地上光ファイバーケーブル・インフラの開発を支援するためにリソースを活用します。Microsoftは、2025年末までにケニアで2,000万人、東アフリカ全体で5,000万人に、ラストマイルの無線インターネットアクセスを、提供するための活動を拡大し続ける予定です。
Microsoftのブラッド・スミス副会長兼社長は、「この2社と3か国によるパートナーシップは、デジタル技術を安全かつセキュアな方法で、グローバルサウスに提供する、真の機会を浮き彫りにするものです。これは、ケニア史上最大かつ最も広範なデジタル投資であり、ケニアという国、政府、国民、そして東アフリカの未来に対するMicrosoftの信頼を反映したものです」と述べています。
G42のCEOであるPeng Xiaoは、「Microsoftとのパートナーシップにより、ケニア政府と協力して、ケニアとこの地域のデジタルエコシステムの変革期を、迎えられることを嬉しく思います。グリーンデータセンターを設立し、現地の文化に合わせたAIを開発することで、同社は、持続可能な技術的成長を、促進することを約束します。この取り組みにより、ケニア政府と地域社会は、堅牢で安全なクラウドサービスとAI機能で力を得ることができ、地域全体でデジタル経済を繁栄させる基盤を提供することができます」と語っています。
両社はまた、英語/スワヒリ語AIモデルと、関連AIサービスの開発を支援し、ケニア人向けの、デジタルスキルプログラムにも資金を提供します。
Microsoftは先月、G42への15億ドルの投資を発表しました。両社は、中東、中央アジア、アフリカの顧客により多くのデジタルと、AIサービスを提供するために協力することを約束しました。
G42は3月、現地の事業者EcoCloudと提携し、キーナに100MWの地熱を利用したデータセンターキャンパス(1GWまで拡張可能)を、建設する計画を発表しました。
EcoCloudは昨年、オルカリアにあるKenGen Green Energy Parkで地熱を利用したデータセンター『Project Eagle』を着工しました。Sudlows ConsultingとX2X Groupが、このプロジクトのリードコンサルタントとして提携しています。フェーズ1では、8つの3MWのデータホールに24MWのIT容量があり、各データホールには、300から500のラックが設置されていると言われています。
EcoCloudはLinkedInで次のように述べています。 「ケニアのために、10億ドルの包括的なデジタルエコシステム構想に乗り出すため、G42と、Microsoftとの画期的なパートナーシップを、発表できることをうれしく思います。」
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Caféが日本向けに抄訳したものです。
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