
マイクロソフト、CO280から12年間で368.5万トンのCO2除去を購入
CO280、炭素回収技術で米国のパルプ・製紙工場を改修
マイクロソフトは、CO280と12年間で368万5千トンのCO2を購入する炭素除去契約を締結しました。
カナダを拠点とするCO2除去会社のCO280は、既存のパルプ・製紙工場に炭素回収装置を取り付け、ボイラーの煙突から排出される生物起源CO2を回収し、恒久的な地中貯留を行います。
マイクロソフトのエネルギー・炭素除去担当シニアディレクター、Brian Marrsは「既存の製紙工場に炭素除去装置を追加するというCO280の戦略は、炭素除去の規模を迅速に拡大し、全米の森林地帯への投資と雇用を促進する効率的な方法です」とコメントしました。
CO280は現在10以上のプロジェクトを開発中で、そのうち5つは2030年までに炭素除去を実現する予定です。同社は、持続可能なバイオマスの調達に広くコミットしている米国の紙パルプ部門との緊密なパートナーシップにより、ソリューションを迅速に拡大できると主張しています。
また、米国の製紙・パルプ工場の75%以上が地中貯留場から100マイル圏内にあり、米国はこの技術を利用するのに最適な立場にあると述べています。
CO280の共同設立者でありCEOであるJonathan Rhoneは、「CO280は、最高品質の永続的な二酸化炭素除去を実現すると同時に、私たちがサービスを提供する地域社会の経済的・環境的健全性をサポートすることを約束します。我々は、マイクロソフト社の協力、リーダーシップ、そして優れたCDRへのコミットメントに大変感謝しています」とコメントしました。
プロジェクトは、SLB Capturiの標準的なモジュール式ジャストキャッチ設計を利用します。ジャストキャッチは標準化された炭素回収プラントで、既存の産業施設に後付けできるように設計されており、炭素を回収・隔離して長期貯蔵することができます。
現在のところ、年間10万トンから40万トンのCO2回収が可能です。また、同社によれば、モジュール設計のため、納期は22〜30ヶ月と短期間とのことです。プラントはプレハブ式で、100%自動化されています。
さらにCO280によると、この技術には余剰廃熱や廃バイオマスを炭素回収プラントの動力源として利用する能力があり、エネルギー効率を大幅に向上させることができます。
SLB Capturiは今年1月、オランダの廃棄物処理会社Twenceのオランダ・ヘンゲローにある廃棄物焼却発電(EfW)施設に、最初のジャストキャッチ炭素除去装置を設置しました。このプラントは、年間10万トン以上のCO2を回収する能力を持ちます。
SLB CapturiはSLBとAker Carbon Captureの合弁会社で、当初は2024年6月に設立されました。
炭素回収による産業施設の改修を模索し、データセンター部門から関心を集めている企業は、CO280だけではありません。今月初め、二酸化炭素除去コンソーシアムのFrontier(GoogleとMetaなど)は、ノルウェー最大のEfWプラントであるHafslund Celsioと二酸化炭素除去契約を結び、同施設を二酸化炭素回収システムで改修しました。オフテーカー契約の一環として、フロンティアは3,160万ドルを支払い、2029年から2030年の間に10万トンのCO2除去を促進します。
CO2回収・貯留システムの人気は高まっているものの、そのビジネスモデルに関する一般的な不確実性や、パイロットプロジェクトによる高コストが、長期的な実行可能性に疑問を投げかけています。
CO280との合意は、2025年におけるマイクロソフトの6番目の炭素除去合意です。今月初め、同社は強化岩石風化処理会社Terradotから12,000トンのCO2除去を購入することに合意しました。
これ以前にも、マイクロソフトは森林再生企業と3つの除去契約を結んでいます。その中には、インドで150万トンのCO2を除去する契約、Chestnut Carbonと700万炭素クレジットを購入する25年契約、ブラジルでRe.greenと350万クレジットを購入する25年契約を含んでいます。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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