米国の大干ばつ過去1200年で最悪、気候変動で深刻化
同時にデータセンターの冷却など、水の利用は増加
米国南西部は少なくとも過去1,200年間で最悪の大干ばつに見舞われていることが、研究者らによって明らかになりました。
過去20年間は米国南西部において西暦800年以来最も乾燥した時期であり、研究者は、気候変動がこの壊滅的な干ばつの主要な原因の一つであると指摘しています。
コロンビア大学 ラモント=ドハティ 地球観測所の研究は、現在の状況を1500年代後半に起きた前回の大干ばつと比較し、現在の危機はより深刻であることを明らかにしています。
これは人為的な気候変動に起因するものです。南西部の気温は1950年から1999年までの平均よりも過去20年間で華氏1.64度ほど高く、土壌、植生、森林から水分を引き出しているのです。
著者の一人であるJason Smerdon氏はNBC Newsに、「これはスローモーションの列車事故です」と語っています。「我々が論文で示した事は、南西部の気温の上昇が、この干ばつの深刻さに約42%寄与したという事です。」
それはまた干ばつがより長く続くことを意味するかもしれません。以前の巨大干ばつは22年で衰退の兆しを見せましたが、今回はかつてないほど強力です。干ばつを終わらせるには、何年か連続して雨が降ることが必要ですが、研究者は、干ばつが30年の大台に乗る可能性は75パーセントあると見積もっています。
この大干ばつにより北米最大級の2つの貯水池の水量が枯渇し、いくつかの州では山火事が年中発生する脅威となっています。
同時に熱波によって、個人や産業界は涼しさを保つために、これまで以上に水を利用するようになっています。
データセンターもその一つで、運用のために大量の水を消費しています。
エネルギー省の研究者は昨年、2018年の米国データセンターの年間運用水量は5.13×108㎥と推定されることを明らかにしました。ただし、この数字は業界の透明性が低いため、多くの推測に基づいていることを認められています。
データセンターは特に米国西部において、「平均よりも大きな水不足を経験している流域の水資源を利用する」可能性が高いと、研究者のArman Shehabi博士はDCDに語っています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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