CBRE、2023年にFLAPD市場全体で480MWのテイクアップを予測

グローバル不動産アドバイザーであるCBREは、フランクフルト、ロンドン、アムステルダム、パリ、ダブリンのいわゆる「FLAPD」データセンター市場において、今年、記録的なテイクアップ(=ここでは「採用、あるいは契約」のような意味とします)が行われると予測しています。

CBREによると、FLAPD市場全体では480MW規模の導入が見込まれており、そのうちの半数以上がフランクフルトとロンドンで見込まれているとのことです。また、その多くはハイパースケーラーが牽引することになるだろうとしています。

CBREの欧州データセンター調査担当ディレクターのKevin Restivo氏は、次のように述べています。 「FLAPD市場では、事業者側が需要の高まりに対応した施設を提供するため、1年を通して勢いが増すと予想される。その結果、今年は前例のないレベルの新規供給が見込まれ、その多くは特にハイテク分野の単一テナント向けにプレリースされると予想している」

このような需要を背景に、今年開発されるであろう容量は524MWと予想されています。これには、パリ、ロンドン、フランクフルトで竣工予定の複数のプロジェクト、そしてドイツの都市におけるMaincubesの2番目のデータセンターなどが含まれています。

ロンドンでは、近年、データセンター計画が急増しています。Reef Groupは昨年11月、ロンドンのHavering区に600MWのキャンパスの開発を提案し、Vantageは首都圏で48MWのキャンパス開発に取り組んでおり、またGlobal Switchは同市東部に3.1MWのデータセンターの計画許可を得ています。

なお、この報告書には、ダブリンにおける事実上のモラトリアム(送電網の制約により、同市でのデータセンター開発が大幅に制限されていること)が記載されていません。そのため、2022年12月に発表された21件のデータセンター建設計画では、デベロッパーは代わりにアイルランド国内の代替地に目を向けています。これらのデータセンターは、Louth、Meath、Kildare、Kilkenny、Wicklowと、いずれもダブリンからおよそ80kmほど離れた場所で計画されています。

CBREの予測は、供給量がわずか2.9MWと、ここ10年以上の四半期で最も低調であった2023年の第1四半期を受けてのものであり、なお、契約量はわずか28MW、うち17MWはロンドンでのハイパースケーラー1社(企業名不明)からのものにとどまりました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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