AWSとエリクソン、日立の自動車工場向けに5Gマシンビジョンシステムを構築

マシンビジョンシステムは生産ラインの欠陥の発見を支援

AWS (Amazon Web Services) とスウェーデンの通信会社エリクソンは、日立の電気自動車工場向けに5Gマシンビジョンシステムを開発したことを発表しました。

このシステムは、米国ケンタッキー州ベレアにあるHitachi Astemo Americasの工場で試験的に導入され、リアルタイムのデジタルビデオ、人工知能(AI)、エッジ・ツー・クラウド技術、プライベート5Gを利用して、生産ラインの欠陥を自動的に発見するように設計されています。

このシステムには、シングルサーバーのデュアルモードコアを介して接続性を提供するエリクソンのプライベート5Gサービスと、AWSのSnowball Edgeデバイスが使用されています。

Snow Familyは、エッジでデータを収集・処理したり、クラウドに物理的にエクスポートしたりできるコンピューティング・リソースを備えたデバイスで、Amazon EC2インスタンス、IoT Greengrass、Kubernetesの導入もサポートしています。これは、2.1kgのAWS Snowconeアプライアンスから、Snowball、そして商用顧客向けのセミトレーラトラックで牽引されるコンテナサイズのAWS Snowmobileまで、さまざまなサイズが用意されています。Snowballデバイスは、エッジでより計算負荷の高いワークロードを処理すべく特別に設計されています。

実際には、収集された工場ラインのリアルタイムの4Kビデオ映像は、プライベート5Gネットワークに送られ、不良品の検出には機械学習モデルが使用されます。高解像度カメラはサブミリメートルレベルで不良品を発見することができ、システム全体では24の組立部品を同時に検査することができるとされています。

エリクソンのPCNコマーシャル・オペレーション部門の責任者であるThomas Noren氏は、次のように語っています。「この協業に関する最大のニュースは、将来のどこか遠い時点で利用可能になる機能に関するものではないということです」

「これらのソリューションは、製造業や企業環境で今日からでも導入することができ、アーリーアダプターの競争力を高めることができます。グローバル・テクノロジー・リーダーとして、エリクソンAWSと日立アメリカR&Dは、コラボレーションがいかにイノベーションを促進するかを示してきました」

日立アメリカR&D担当副社長で、Hitachi Astemo AmericasのチーフアーキテクトであるSudhanshu Gaur氏は、次のように述べています。「プライベート5G、クラウドAI(人工知能)/機械学習自動化技術の組み合わせは、製品製造の方法に革命をもたらす可能性を秘めており、このイノベーションの最前線に立てることを嬉しく思っています」

エリクソンはこれまでにも、エストニアのタリンにある製造現場や、南アフリカの鉱業支援にプライベート5Gネットワークを導入してきました。

同じような取り組みは、2022年11月に富士通のデータセンターでも試行されました。横浜のデータセンターでは、プライベート5Gネットワークも導入され、4Kカメラを搭載したロボットが施設内を巡回し、AIによって異常を検知する仕組みとなっています。

ここ数ヶ月の間に、いくつかの通信事業者がプライベート5Gサービスを開始しています。今年4月にはボーダフォンがモバイル・プライベート・ネットワークの提供を開始し、8月にはVirgin Media O2 Businessが商用プラグ・アンド・プレイの5Gスタンドアローン・プライベート・ネットワークの提供を開始しました。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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