Appleが廃棄物とエネルギー使用を削減するエアフィルターを導入

環境進捗報告書では、節水への取り組みも公表

Appleは、自社のデータセンターで再利用可能な新しいタイプのエアフィルターを導入しました。これにより、毎年25トンのフィルターを廃棄せずに済んでいると同社は述べています。

Appleの2024年環境進捗報告書によると、同社は2015年以降、全体で温室効果ガス排出量を55%削減したとのことです。この削減は、オフィスや店舗のほか、世界各地で運営する7つのデータセンターの運用を改善することにより達成されました。Appleも多くの大企業と同様、2030年までに製品とサプライチェーン全体で100パーセントのカーボンニュートラルを目指しています。

再利用可能なエアフィルターは、自動車用フィルターメーカーのK&Nとの協業により開発され、Appleはそれらを全てのデータセンターに設置しました。この共同プロジェクトは2019年に始まり、開発作業はネバダ州リノにあるAppleのデータセンターで行われました。

Appleは、「K&Nは性能と効率の高さを実現するため、 20種類の新たなプロトタイプをテストした」と述べ、「今日、再利用可能なフィルターは、Appleだけでなく、業界全体の標準となりつつあります」と続けました。

再利用可能なエアフィルターは、廃棄フィルターによる埋立地への圧迫を緩和するだけではなく、データセンターのファンのエネルギー使用量を35%削減することにも役立っているそうです。

また、Appleは水の使用量を削減するための対策も講じています。2023年にサーバーをアップグレードした結果、1,200万ガロンの水を節約できたと、 同社は報告書の中で述べています。

水の削減に向けた取り組みの一つとして、同社は樹脂製の水処理システムを試験的に導入しました。結果的に、「補給水の使用量を30%、排出量を最大60%削減した」ことから、 この技術はオレゴン州プラインビルとアリゾナ州メサのデータセンターに導入されました。

その他の試験的プロジェクトには、水を処理するためのミズゴケの利用があります。これにより、殺生物剤や腐食防止剤を不要にできる可能性があるとのことです。同社は、すでにネバダ州リノとノースカロライナ州メイデンのデータセンターでこの技術を導入しています。

Appleによると、現在同社のデータセンターのうち5カ所がAlliance for Water Stewardship(AWS)の基準を満たしているとのことです。なお、AWSは持続可能な水資源の利用の評価や、推進を行う機関です。Appleは、2025年までに中国の2つの施設でも、この認証を取得したいと考えています。

また報告書は、Appleのデータセンターが2023年に23.4億kWhの電力を消費したことを指摘し、その膨大な電力消費量を強調しています。

一方、報告書は電力削減に向けた取り組みにも言及し、「2021年に導入した、エネルギー効率とコンピューティング効率を重視した独自のサーバー設計により、年間3,600万kWhのエネルギー削減を達成しました」と報告しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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