Nautilus が液冷用 CDU を発表

独自の冷水分配システムを他のデータセンター企業にも提供

データセンター事業を展開するNautilus社は、新たに冷水分配ユニット(CDU)を発表しました。

同社は今週、Yotta 2024カンファレンスでEcoCore COOL CDUのローンチを発表しました。同社は、特許を取得したこのシステムは、従来のIn-Rowシステムではなく、データホール全体の冷却に特化した設計になっていると主張しています。

各CDUは1,000kW以上の熱除去能力を持ち、1平方メートルあたり8,600ワット以上の熱を除去することが可能です。システムの稼動に必要な電力は最大50kWで、標準的な消費電力は18kWとなっています。

このCDUは、チップへの直接冷却、液浸冷却、リアドア冷却などの液冷方式に対応し、現在注文可能となっています。

「当社の技術革新への取り組みは、常に業界の喫緊の課題を解決する原動力となっています。EcoCore COOLはその直接的な成果であり、比類のない効率でAI主導のデータホールの要求を満たすように設計されています」と、Nautilus Data TechnologiesのCEOであるRob Pfleging氏は述べています。

「実証済みの技術を斬新な方法で応用することで、我々は高密度のワークロードに対応するだけでなく、運用適応性の新たな基準を打ち立てるソリューションを生み出しました」

CDUは、データホール内のIT機器の冷却を行うクローズドループと、排熱に様々な水源を利用できるオープンループの2重ループシステムを採用しています。浮体式河川冷却データセンターで知られるNautilus社によると、このシステムは淡水、海水、中水、工業用システムなど、さまざまな水源を利用できるといいます。

Nautilus 社は、浮体式はしけのデータセンター・コンセプトで有名ですが、近海でのデータセンター構築にも挑戦しています。同社のコロケーション施設は、浮体またはその近くにある水によって冷却され、その水はデータホールを通る二次側閉ループ内で浄化された水を冷却する開放型冷却システムを通じて循環されます。

同社は現在、カリフォルニア州ストックトンで浮体式はしけを1隻のみ運営しているが、メイン州に陸上施設を建設する計画を立てています。また、米国だけでなくアイルランドやヨーロッパ本土でも水上プロジェクトが進行中で、タイやフィリピンでのビジネスチャンスを探るための覚書も交わしています。

今年初め、同社は新たなモジュール型データセンターを発表しました。

ポルトガルのシネスにあるStart Campusは、将来の施設にNautilus社の冷却技術を採用することを予定しています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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