
Xanaduと三菱化学、EUVリソグラフィ量子アルゴリズム共同開発
Xanadu Quantum Technologies(ザナドゥ)は、三菱化学と共同で、極端紫外線(EUV)リソグラフィ用の量子アルゴリズムを開発するプロジェクトを開始しました。
両社は、量子コンピューティングの最初の具体的な使用例を確立し、新しい半導体チップ製造技術を前進させたいと話しています。
EUVリソグラフィは、最先端チップの製造に必要なウェーハパターニング技術です。
今回の提携では、三菱化学の材料設計研究所の研究者がEUVフォトレジスト材料の分子構造、組成、反応性に関する情報を提供し、ザナドゥのチームが量子アルゴリズムの専門知識を提供して、「光と物質の相互作用と二次電子効果をモデル化する」シミュレーションアルゴリズムの設計をサポートします。
ザナドゥのシニア量子科学者であるTorin Stetinaは、次のように述べています。「チップの小型化の継続的な進展は、EUVリソグラフィと優れたフォトレジスト材料の設計におけるブレークスルーにかかっています。これらの材料がEUV光とどのように相互作用するかを正確にモデル化することは、依然として困難な課題です。これらの相互作用のシミュレーションに量子コンピュータを使用することは、この問題に取り組む上でエキサイティングな未知の領域であり、将来の半導体世代の材料特性を明らかにする道を提供します。」
2016年に設立され、カナダに本拠を置くザナドゥは、フォトニックベースの耐障害性量子コンピューターの構築と商業化を支援するための資金調達に何度も成功した後、2025年に多くの発表を行いました。
2025年2月、ザナドゥは世界初の汎用フォトニック量子コンピューターのプロトタイプを完成させました。Auroraと名付けられたこの12量子ビットのマシンは、光で相互接続されたモジュール式の独立サーバーラック4台で構成され、35個のフォトニックチップと13kmの光ファイバーが搭載されています。
このシステムは室温で動作し、完全に自動化されているため、ザナドゥによれば「人間の介入なしに何時間も 」稼働させることが可能だとのことです。
先月、ザナドゥはカナダのトロントに1000万カナダドル(730万米ドル)の最先端フォトニックパッケージング施設を開設しました。この種の施設としては国内唯一のエンドツーエンドの超低損失フォトニックパッケージング施設であり、学界と産業界の外部顧客に開放される予定です。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事の一部をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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