CoreWeaveがNasdaq市場にIPO申請

ティッカーシンボルはCRWV

AIクラウドプロバイダーのCoreWeaveは、Nasdaq証券取引所でのIPOを通じて上場します。

株式数や価格帯は未定ですが、同社は「CRWV」というティッカーで、クラスA普通株式を提供しています。

Morgan Stanley、J.P. Morgan、Goldman Sachs & Co. LLCが共同主幹事を務め、その他Barclays、Citigroup、MUFG、ドイツ銀行証券、Jefferies、みずほ、Wells Fargo Securities、BofA Securitiesがブックランナーを務めます。Guggenheim Securities、Needham & Company、Galaxy Digital Partners LLCが共同幹事を務めます。

同社が、IPO申請を間近に控えているとの報道は先週出ており、噂は昨年から流れていました。

同社はSECに提出した書類の中で、2024年12月31日現在、32のデータセンターで合計25万以上のGPUを稼働させ、360MW以上の有効電力を保有していると述べています。

「契約電力は2024年12月31日現在で約1.3GWに達し、今後数年間に拡大する見込みです」と同社は付け加えました。

さらに同社は、収益がここ数年で大幅に増加していると述べています。「2022年、2023年、2024年12月31日に終了した各年度の売上高は、それぞれ1,600万ドル、2億2,900万ドル、19億ドルであり、前年比成長率はそれぞれ1,346%、737%でした。」

「これらの期間中、私たちは市場機会を生かすために事業を成長させるための投資を続けました。その結果、2022年、2023年、2024年12月31日終了年度の純損失はそれぞれ3,100万ドル、5億9,400万ドル、8億6,300万ドルとなりました。2022年、2023年、2024年12月31日終了年度の調整後純損失は、それぞれ2700万ドル、4500万ドル、6500万ドルでした。」

さらに、2024年12月31日までの間に、同社は事業拡大を支援するため、総額129億ドルの借入コミットメントを調達しました。投資家には Magnetar、Blackstone、BlackRock、DigitalBridge、Coatue、PIMCO、Carlyle などが名を連ねています。

もともとクリプトマイニング企業として2017年に設立された同社は、自社の強みとして、プラットフォームがAI向けに設計されていること、最高性能のGPUにアクセスできること、拡張の機会がありながら大規模に運営されていることを挙げています。

同社は提出書類の中で、AIインフラの複雑さについてこう書いています。「データセンターの構成にもよりますが、32,000GPUのクラスタ1つで、約600マイルのファイバーケーブルと約80,000本のファイバー接続が必要になる可能性があります。」

さらに同社は、「必要な高性能コンポーネントを入手するには、複雑なグローバルサプライチェーンを管理する必要があり、データセンター自体も高性能コンピュート用に特別に設計する必要がります。ハイパースケーラーが運用する一般的なクラウドは、AI特有の要件に対応するために構築されたものではなく、『10年以上前に』作られたものです」と語っています。

しかし、同社はリスクの中で、「当社の収益のかなりの部分は、限られた顧客によってもたらされている」とし、1社または数社のトップクラスの顧客からの支出が失われれば、「当社の事業、経営成績、財務状況、将来の見通しに悪影響を与える」と指摘しました。2024年の同社の売上高の約77%は、2つの大口顧客からのもので、マイクロソフトは最大の顧客であり、その年の同社の売上高の62%を占めていました。2024年11月、マイクロソフトは10年後までに約100億ドルを同社のサービスに費やすと発表しました。

同社はまた、他社からデータセンターのスペースを借りているため、自社ではコントロールできない停電の影響を受ける可能性があることも認識しています。同社は、次のように述べました。「将来的には、サードパーティに依存するのではなく、自社でデータセンターを開発する可能性があり、この分野での経験が限られているため、予期せぬ困難に見舞われる可能性があります。」

さらに同社は、AIの商業化には不確実性があり、「AI分野での継続的な急速な発展」、必要なハードウェアのサプライヤーが限られていること(2024年の購入額の76%を3社が占めている)、データセンターの容量と電力供給能力が不足していること、同社の事業に必要な設備投資額が高いこと、競争が激しいことを認めています。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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