マイクロソフト、仮想化処理をオフロードするAzure Boostを発表
Fungible買収から数ヶ月後、DPUのようなサービスを提供へ
マイクロソフトは仮想化タスクをオフロードし、クラウドインスタンスのパフォーマンスを高速化する新サービスを提供することを発表しました。
同社は今週、仮想化処理を専用のハードウェアとソフトウェアにオフロードする新システム「Azure Boost」のプレビュー版を発表しました。
マイクロソフトによると、ネットワーク、ストレージ、ホスト管理など、従来はハイパーバイザーとホストOSが行っていた処理をオフロードすることで、パフォーマンスとセキュリティを向上させることができるといいます。
「このイノベーションにより、プレビューに参加するAzureの利用顧客は、200Gbpsのネットワーキング・スループットと、最大10GBps、40万IOPSのリモート・ストレージ・スループットを体感できるようになり、現在利用可能な最速のストレージ・ワークロードを実現できる」と同社は述べています。
プレビュー版では、試験的なSKUにアクセスすることができ、ユーザーは正式リリースに先立ち、現行の仮想マシン(VM)システムとの統合を検証することができます。
このサービスが顧客に提供されるのは今回が初めてですが、マイクロソフトは社内でひそかにテストを行ってきました。
「今日、Azure Boostのプレビューを発表しているが、Azure Boostは、Ebsv5 VMシリーズの卓越したリモート・ストレージ性能の実現や、Ev5およびDv5 VMシリーズ全体のネットワーク・スループットとレイテンシの改善など、現在稼働中の何百万もの既存のAzure VMにメリットを提供している」とマイクロソフトは述べています。
マイクロソフトのAzure Marketplace担当グループ・プログラム・マネージャーのMax Uritsky氏はブログで、このブースト・サービスは、最適なネットワークパフォーマンスを実現するために設計され、Azureの需要に合わせて特別に調整されたMicrosoft Azure Network Adapter(MANA)によって実現さ れたものであると述べています。
ハードウェアとソフトウェアの組み合わせで構成されるMANAは、WindowsおよびLinuxオペレーティングシステム用の安定した上位互換デバイスドライバを提供するネットワークインターフェースとして説明されています。
多くの企業が、CPUからネットワーク機能の一部をオフロードし、アプリケーションのパフォーマンスを最適化する SmartNIC やデータ処理ユニット(DPU)に注目しています。マイクロソフトは今回の発表でどちらにも言及していませんが、これはDPUタイプのサービスのようです。
1月、マイクロソフトはDPUプロバイダーのFungible社を買収しました。その時点で、同社はマイクロソフトのデータセンター・インフラ・エンジニアリング・チームに加わり、「複数のDPUソリューション、ネットワーク・イノベーション、ハードウェア・システムの進歩の提供に注力する」ことが決まっていました。
この買収の条件については公表されていませんが、先月の報道では、買収額は約1億9,000万ドルとされていました。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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