音楽出版社のBMGがGoogle Cloudに移行

ドイツの音楽出版社・レコードレーベルのBMGは、同社のロイヤリティ処理インフラストラクチャのGoogle Cloud Platform(GCP)への移行を進めています。

ベルリンを拠点とするBMGは、デジタル音楽ビジネスが成長し、ロイヤリティ処理要件のボリュームや複雑さが増す中、GCPへの移行を選択しました。

インフラ基盤移行の一環として、BMGは1,500のコンポーネント、サーバ、データベースをクラウド上に移行します。

「BMGは本質的にアーティストやソングライターのためのサービス会社であり、私たちは常にビジネスを最適化してそのサービスを改善し、より効率的な提供を行っていく。Google Cloudへの移行に伴い、よりスマートな分析ツールにより音楽ライフサイクル全体の関連データを活用できるようになり、我々のアーティストやソングライターのクライアントにメリットをもたらす」BMGのグループテクノロジー担当バイスプレジデントであるGaurav Mittal氏はこのように述べています。

ストリーミングの増加がロイヤリティ支払いの複雑さを増加

物理的なメディアの売上が減少し、ストリーミングの数が増加するにつれて、BMGが管理するデータ量は飛躍的に増加しています。つまり、BMGは数十億行の収入を処理し、アーティスト、ソングライター、その他の権利所有者への支払いも処理する必要があります。カイリー・ミノーグ、ローリング・ストーンズ、イギー・ポップ、レニー・クラヴィッツなどをカタログ内に掲載する同社は、ストリーミングにより、実際のアルバム販売より最大2,000倍ものトランザクションが発生する可能性があると述べています。

BMGは、GCPのBigQueryサーバーレス・エンタープライズデータウェアハウスとオープンソースデータ・分析処理ソリューションのDataprocを利用して、必要に応じてロイヤリティ処理を拡張します。同社によれば、これによりアーティストへのロイヤリティが正確かつタイムリーに支払われると同時に、全体的な運用コストが削減されると言います。尚、BMGはGCPの既存顧客であり、既にマーケティングおよび推奨活動に対し、GCPの人工知能や機械学習テクノロジーを利用していました。

「デジタルメディアの台頭は、コンテンツ企業がデータや分析をますます重要視する必要があることを意味する。我々はBMGに協力できることを嬉しく思う。また、革新的な方法である我々のデータ駆動型ソリューションが、彼らの新たな収益源の拡大と事業拡大に向けて役立つことを期待している」GoogleCloudのインダストリーソリューション、メディア&エンターテインメント部門のマネージングディレクターであるAnil Jain氏はこのように述べています。

BMGの親会社であるBertelsmannは、昨年、Bertelsmann Collaboration Platformを立ち上げました。このプラットフォームは、世界中で新たに開発されたITソリューション、ツール、アルゴリズム、アプリケーション、およびソフトウェアプログラムに関する情報を交換できるものです。

同社はルクセンブルクのData Center Europe Sàrlの過半数の株式を所有しています。またクラウドサービスを提供するBertelsmann子会社のArvatoは、米国、中国、ドイツで自社データセンターを運営し、Microsoft Azureも利用しています。

Data Center Dynamics

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