OpenAIがAWSと380億ドルの複数年クラウド契約を締結～NVIDIA GB200およびGB300へのアクセスを確保

契約は7年間にわたり実施される予定で、スタートアップの容量需要に対応するため、AWSが追加のインフラを構築する可能性が高い

OpenAIは、Amazon Web Services（AWS）と380億ドル規模の7年間契約を締結し、生成AIの巨人である同社がAWSインフラ上でワークロードを実行することになります。

契約条件に基づき、OpenAIはAmazon EC2 UltraServers経由で「数十万基」のNVIDIA GB200およびGB300を利用可能となり、さらに数千万のCPUへのアクセスも拡張可能になります。

OpenAIは、一部のコンピューティングインフラを即時利用可能となり、全容量は2026年末までに展開される見込みです。ただし、両社ともに具体的な目標とする容量については明らかにしていません。

この提携により、OpenAIは2027年以降もさらに展開を拡大することが可能になります。CNBCの報道によると、契約の第1フェーズでは既存のAWSデータセンターが使用されますが、将来的にはOpenAIの需要に対応するためにAmazonが新たなインフラを構築する必要があるとされています。

Amazonの2025年第3四半期決算発表で、CEOであるAndy Jassyは、AWSの受注残高が四半期末時点で2000億ドルに達したと述べました。また、「10月に発表されていない複数の新規契約があり、それらの合計は第3四半期全体の契約量を上回っている」とも付け加えました。さらに同氏は、過去12か月間で3.8GWの電力容量を追加したことにも言及し、次のように述べています。「これを具体的に示すと、現在の電力容量は2022年のAWSの2倍であり、2027年までにさらに倍増する見込みです。」

AWSとの契約について、OpenAI共同創業者兼CEOのサム・アルトマンは、次のようにコメントしました。「最先端AIの拡張には、大規模で信頼性の高いコンピューティングが必要です。AWSとの提携は、この新たな時代を牽引し、高度なAIを全ての人々に届ける広範なコンピューティングエコシステムを強化します。」

AWSのCEOであるMatt Garmanは、「OpenAIが可能性の限界を押し広げ続ける中、当社の業界最高水準のインフラは彼らのAI野心を支える基盤となります。最適化されたコンピューティングリソースの広範性と即時利用可能性こそが、AWSがOpenAIの膨大なAIワークロードを支える唯一無二の存在である理由を示しています」と述べました。

マイクロソフトは従来、OpenAIの独占的クラウドパートナーでしたが、2025年1月の「Stargate」発表を受け、両社のパートナーシップはもはや独占的ではないと述べました。

その後、OpenAIはGoogle Cloud、CoreWeave、オラクルと契約を締結しており、特にオラクルとの契約は、5年間で最大3000億ドル規模と見込まれています。

先週、OpenAIは営利目的の公益法人「OpenAI Group PBC」への移行を完了しました。元の非営利団体は現在「OpenAI Foundation」と呼ばれており、OpenAI Group PBCの26％の株式を保有しています。そしてその価値は約1,300億ドルとされています。マイクロソフトは27％の株式を保有しており、こちらは約1,350億ドルの価値があります。

これは過去数週間でOpenAIが発表した3件目の大型契約であり、AMDとの数十万基のGPU供給契約、BroadcomとのカスタムAIハードウェア共同開発提携に続くものです。

同社はまた、2025年9月までに自社データセンターにNVIDIA製ハードウェアを少なくとも10GW規模で導入する意向書に署名しています。

OpenAIは、2025年10月初旬に5,000億ドルの企業価値が付けられましたが、まだ黒字化には至っていません。先週末、OpenAIのCEOサム・アルトマンは、マイクロソフトのCEOサティア・ナデラとともにBg2 PodというYoutubeチャンネルに出演し、「収益が130億ドルと報じられている企業が、どうして1.4兆ドルもの支出を約束できるのか？」という質問を受けました。これに対しアルトマンCEOは、「実際にはそれ以上の収益を上げています」と答え、さらに「収益は急速に伸びる計画です」と付け加えました。

ただし、130億ドルを上回る具体的な金額については明らかにしませんでした。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。