DIGがデータセンターパークの壮大な1.5GW計画でタイ市場を揺るがす

Doma Infrastructure Group(DIG)は本日、タイで1.5GWのデータセンターパークを開発する計画を発表しました。同社は、マスタープラン型データセンターパークの開発業者として、タイのテクノロジーパーク運営会社であるSilicon Tech Park(STP)と覚書を締結しました。両社は共同で、2026年第3四半期までに1.5GWの電力容量を持つAI対応データセンターパークを3か所開発する予定です。

この合弁事業を通じて、タイの東部経済回廊(EEC)の一部であるチャチューンサオ県、チョンブリー県、ラヨーン県にまたがる300エーカーの土地を取得します。EECは、これら東部3県をカバーする重要な経済開発イニシアチブです。2017年に開始されたこの構想は、タイ4.0ビジョンの下、デジタル時代に向けた産業基盤の近代化を目指しています。

DC Byteのデータによると、タイには現在、建設中のデータセンタープロジェクトを含め、約110MWのデータセンター容量があるとのことです。提案されている1,500MWの容量が完全に実現すれば、タイのデータセンターの状況は一変すると見られています。

データセンターパークの建設

W.Mediaの独占インタビューの中で、DIGのCEO兼共同設立者であるClement Gohは、同社のビジネスモデルについて語り、それがアジア太平洋地域でユニークだと述べました。同氏はデータセンター業界で20年の経験を持つベテランで、以前は南アジアでEquinixのマネージング・ディレクターを務め、東南アジアではSTT GDCのCEOも務めた経験を持ちます。

同氏によると、DIGはデータセンターパークを設立および管理するマスター・デベロッパーとなるとのことです。つまり、同社が必要な許認可の取得や、ユーティリティへのアクセスの交渉、ファイバーネットワークの整備、顧客のためのデータセンターのコア&シェルの建設を行います。同氏は、これは、データセンターの運用やハイパースケーラーのために、新しいデータセンターの開発を劇的にスピードアップすることを目的としていると述べました。

そして、「私たちは運用には参入しませんし、どの事業者とも競争するつもりはありません」と述べ、データセンター事業者の運用能力を支援するために、多様な資金調達モデルを用意していると話しました。

「ユーティリティが約束通りに稼働することを確認するために、リースから始めることも可能です。それが実現して資産が安定すれば、私たちは喜んでそれを売却します。」

準備万端

Clement Gohは、土地、水、そして計画されている1.5GWの電力の大部分はすでに確保されており、「初日」から利用可能であると明言しました。太陽光発電のような自然エネルギーへのアクセスだけでなく、タイ国境を越えてラオスから水力発電を利用するための交渉も進行中だとのことです。

一方で、タイは現在、干ばつや、一部で続く水不足の問題に直面しています。同氏は、現在確保している場所について、「ラヨーンの園内には貯水池があるので、水の問題はありませんし、他の2か所のいずれもこの地域の成熟した工業団地に近いので、水の供給については問題ありません」と語りました。

実際、オペレーターやハイパースケーラーが今日にでも契約し、整地と並行してデータセンターが建設されれば、最初のデータセンターは早ければ2026年に稼動できるとのことです。

また、タイに最初のデータセンターパークを建設することを選んだ理由は、政府の支援政策、手頃な電力、自然エネルギーへのアクセスにあるとし、多くのデータセンター事業者がすでにタイを評価していると述べました。併せて、タイにおける需要の証拠として、現在進行中のデータセンター新設のための提案依頼書(RFP)をいくつか挙げました。

地域の期待

Clement Gohはまた、声明の中で、次のように語りました。「タイはDIGのアジア太平洋戦略の中核市場であり、当社のギガワット計画は、同地域で変革をもたらすプロジェクトを推進するという当社のコミットメントを反映しています。現地に深いリソースを持つパートナーであるSTPとの協力は、持続可能なデジタル・インフラストラクチャーのエコシステム構築に対する当社の自信をさらに強めるものです。」

しかし、DIGの焦点はタイに止まりません。Gohはインタビューの中で、東南アジア、オーストラリア、そして潜在的には北アジアも視野に入れていると話しました。DIGは米国の不動産ファンドの支援を受けており、同不動産ファンドは、アジアのプラットフォームとしてDIGと協力しているようです。

言及されませんでしたが、同社はマレーシアでも取引に近づいているようです。DIGは、マレーシアの上場企業、Paragon Globe BerhadならびにHexza Corporation Berhadの元CEOである、Gary Gohをマレーシアのマネージング・ディレクターとして採用しています。

同氏は、LinkedInに熱心なファンを持ち、マレーシアの新しいデータセンター建設に関する投稿で知られています。11日夜、同氏はLinkedIn上で自身の新たな着任について発表し、「この役割では、マレーシアの用地取得とデータセンター用地の加速を支援します」と述べました。この投稿は、何百回も 「いいね!」されました。

W.Media ( Paul Mah 記者)より抄訳・転載

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。