シンガポールの海に浮かぶ「フロートデータセンター」
データセンター用地不足によるケッペル社の水上データセンター計画
シンガポールのコングロマリットであるKeppel Corporation (ケッペル・コーポレーション )は、国土面積が乏しいシンガポールの海上沖にデータセンターを浮かそうとする計画の交渉を進めています。
Keppel社の100%出資子会社であるKeppel Data Centersは、一昨年に水上データセンターのスタートアップ企業であるNautilus Data Technologies(ノーチラス社)に1,000万USドルを投資しました。Keppelは現在 ハイパースケールデータセンター の建設予定地として沿岸近くの場所を探し始めていると地元の報道機関がレポートしています 。
海へ向かう
Keppel Data CentersのCEOであるWong Wai Meng氏は、シンガポールの放送局Channel News Asiaにインタビューで、フローティングデータセンターはそれぞれ10MWの各モジュールを、小艦隊のように、あるいは「公園」のような形に連結する構成を取ると説明しています。
モジュールは陸上で事前に組み立てられ、浮体式構造物に差し込まれます。報告では、水冷冷却方式が選択される予定のようです。Keppelは、ネットワーク接続に関する計画はまだ何も発表していません。
Wong氏によると、この技術は Keppel Telecommunications & Transportation group 全体のコラボレーションから生まれたものであると言います。協力部門には、オフショア海洋部門と Keppel Infrastructure が含まれます。尚、 Nautilus(ノーチラス社)は2015年に水上データセンターのプロトタイプを実証実験済みです。
フロートデータセンターは、液化天然ガス(LNG)により電力を賄い、浮体式モジュール経由で給電されます。シンガポール国内の電力の約95%は天然ガスで発電されており、その多くは近隣のマレーシアやインドネシアから送電されています。シンガポールは独自のLNG設備にも多額の投資を行っています。
Wong氏は、フロートデータセンターは通常の土地に建てるデータセンターよりも安価で構築できると述べています。 「まだ最終的な数字は出ていません。しかし、おそらく20〜50%の範囲でコスト削減が可能でしょう。それが私たち自身の目標です。」と彼は述べました。
Data Center Dynamics
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