
レアル・マドリードとCiscoがトレーニングキャンパスにデータセンターを開設
AI用途だけでなく、従来型の業務にも使用される予定
レアル・マドリードとCiscoは、サッカーチームのトレーニング施設「Real Madrid City」にAI対応のデータセンターを設立する計画を発表しました。
このデータセンターは、レアル・マドリードとCiscoによる複数年契約の一環であり、Ciscoの技術がトレーニングキャンパスに導入され、接続性の向上と遅延の低減が図られる予定です。
データセンターの詳細は「スケーラブルで高性能、AI対応」といった表現にとどまっており、具体的な情報は少ないものの、クラブ側は「エネルギー効率の改善」や「AIワークロードと従来型業務の統合」を可能にすると述べています。
DCDは、データセンターの想定容量や建設・導入のスケジュールなど、さらなる情報を得るためにレアル・マドリードとCiscoに問い合わせを行っています。
このデータセンターは、ロス・ブランコスのレアル・マドリードの本拠地であるサンティアゴ・ベルナベウ・スタジアムではなく、トレーニング施設「Real Madrid City」に設置される予定です。
Real Madrid Cityは、総面積120万平方メートルの敷地に広がっており、9,000平方メートルのT字型の建物には、ロッカールーム、ジム、教室、会議室、オフィス、ハイドロセラピープール、医療センター、報道エリアなどが備えられています。
このデータセンターに加え、Ciscoはサンティアゴ・ベルナベウ・スタジアムとReal Madrid Cityを接続する100Gbpsのネットワークインフラを導入し、さらにReal Madrid City全体にCiscoのWi-Fi 7を展開することで、ファンやスタッフに高速・低遅延・高品質な接続環境を提供する予定です。
Ciscoスペイン・ポルトガルのCEOであるAndreu Vilamitjanaは、次のように述べています。「ベルナベウは再び、没入型で持続可能、かつコスト効率の高い体験を提供する先駆者となるでしょう。」
同氏はさらに、「ネットワークはデジタル化の中心にあり、スポーツやエンターテインメントを含むあらゆる分野を変革しています。3年前、新しいベルナベウ・スタジアムは、Ciscoの技術によって統合型接続の世界的なベンチマークを打ち立てました。そして今、再び没入型で持続可能、かつコスト効率の高い体験を提供する先駆者となるのです」と付け加えました。
最近改修されたサンティアゴ・ベルナベウ・スタジアムでは、Ciscoのソリューションが約20年にわたり使用されており、2024年の改修では統合型のSoftware Defined Access(SDA)ネットワークが導入されました。
また、Ciscoのクラウドベースの「IP Fabric for Media」ソリューションは、スタジアム内の2,500以上のスクリーンにリアルタイムでコンテンツを制作・配信するほか、世界中のファンに向けた放送にも活用されています。
昨年、レアル・マドリードは今後3シーズンの通信パートナーとしてOrangeを選定しました。
Ciscoは、米国のNational Football League(NFL)の技術パートナーでもあります。
今月初め、英国プレミアリーグはMicrosoft Azureを公式クラウドおよびAIパートナーとして選定し、5年間の契約を締結しました。これにより、リーグの基幹技術インフラがクラウドへ移行される予定です。
一方、FC Barcelona、OL Groupe、Tottenham Hotspur Football Clubは、HPEの「GreenLake」cloud-to-Edgeサービスの顧客となっています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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