
HPE、GX5000スーパーコンピューティングプラットフォームを発表、ORNL向けにAMDベースのスーパーコンピュータ2台を新設
GX5000ベースシステムの納入は2027年初頭から開始予定
HPEは米テネシー州オークリッジにあるオークリッジ国立研究所(ORNL)向けに同社の新型スーパーコンピューティングプラットフォーム「HPE Cray Supercomputing GX5000」を基盤とするシステムを含む2台のスーパーコンピューターの構築を進めています。
この2システムには、第2世代エクサスケール・スーパーコンピュータ「Discovery」(GX5000ベースでORNLの「Frontier」の後継機)と、AIクラスター「Lux」が含まれており、HPEによれば「マルチテナント型クラウドのようなプラットフォーム」でAIおよび機械学習ワークロードをサポートするとしています。
発表に先立つブリーフィングで、HPEはGX5000ベースシステムの納入を2027年初頭から開始する見込みだと述べています。
HPEは、開発中のGX5000プラットフォームはAIと高性能コンピューティング(HPC)アーキテクチャを活用し、「サイト全体および分散クラスター間で運用を効率化する」と説明しています。
「Discovery」は、コードネーム「Venice」のAMD第6世代EPYCプロセッサとAMD Instinct MI430X GPUで構成され、HPE Slingshotで相互接続され、冷却にはHPEの液体冷却技術が採用されるとのことです。
また、HPE Cray Supercomputing Storage Systems K3000を搭載し、Frontierと比較してストレージラックあたりの入出力操作数(IOPS)が300%向上すると報じられています。
K3000は「業界初の組み込み型分散非同期オブジェクトストレージ(DAOS)オープンソースソフトウェアを搭載した工場製造ストレージシステム」であり、Discoveryにも採用されるHPE E2000ストレージシステムを補完する「コスト効率に優れたオールフラッシュストレージシステム」であるとHPEは説明しています。
HPEによれば、GX5000プラットフォームはエクサスケール性能に向けた拡張を目的に設計されており、従来のHPEプラットフォームよりも高い密度を実現し、ラックあたりのデータセンタースペースを25%削減、コンピューティングスロットあたりの電力供給量を127%増加(最大25kW)させることが可能とのことです。
ORNLのLuxクラスターは、AMD Instinct MI355X GPU、AMD EPYC CPU、AMD Pensandoネットワークで構成され、HPE ProLiant Compute XD685直接液体冷却技術で冷却されます。AIリソースへのアクセス向上を目的として設計されたLuxは、米国を拠点とする研究者に対し、トレーニングと推論を特に支援する主権的なAIファクトリーへのクラウドのようなアクセスを提供するとHPEは述べています。
「オークリッジ国立研究所向けにFrontierを構築しエクサスケール時代を切り開いた時、我々はスーパーコンピューティング史上の頂点を極め、米国にとっての偉業を達成した」とHPE社長兼CEOのAntonio Neriは語っていました。「米国エネルギー省、ORNL、AMDとの強力な官民連携とリーダーシップイノベーションを基盤に、DiscoveryとLuxを構築し、科学発見とAIイノベーションの次なる時代を加速できることを誇りに思う」
また、Oak Ridge Leadership Computing Facilityの科学ディレクターであるBronson Messerは次のように付け加えています。「DiscoveryとLuxがオークリッジで研究者らが行える科学分野の拡大に貢献することを大変嬉しく思います。」
「DiscoveryはHPC、AI、量子コンピューティングを融合した新たな次元を実現し、他システムとの連携による知見を深めます。一方Luxは研究者の専用AIリソースへのアクセスを大幅に拡大します。両システムが生産性のパラダイムシフトをもたらし、科学研究とリーダーシップの重要分野で比類なき成果を達成すると確信しています」
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事の一部をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。































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