SenseTimeが上海で人工知能データセンターの運用を開始

上海の自由貿易試験区 臨港新エリア に、アジア最大級の人工知能(AI)データセンターが誕生します。

世界有数の人工知能(AI)企業SenseTimeは、上海の臨港新エリアに次世代人工知能データセンター(AIDC)が稼働を開始したことを発表しました。3.74 exaFLOPS の設計演算能力を持つこのオープンで大規模かつエネルギー効率の高い先進的なコンピューティングインフラは、アジア最大級のAIDCになる見込みです。

これによりSenseTime独自のAIインフラストラクチャSenseCoreの能力が大幅に向上し、さまざまな分野におけるAIの産業化を加速し、活気あるAIエコシステムを創出するための普遍的なAIイノベーション・プラットフォームとなることが期待されます。データセンターの総面積は13万平方メートル、コンピュータラックは5,000台で、8億8,000万ドル相当の投資で建設されました。

中国の優位性

主要な地理的市場に戦略的に配置されたSenseTimeの23のAIスーパーコンピューティングクラスターとともに、臨港のAIDCは同社のイノベーションを進め、競争力を強化し、さまざまな産業のデジタル変革を後押しし、スマートビジネス、スマートシティ、スマートライフ、スマートオートの発展を促進します。

「SenseTimeのAIDCの立ち上げは、AIイノベーションのための普遍的なインフラを構築するという我々の継続的な努力における大きなマイルストーンです。これは、私たちがユニバーサルなAI能力で、あらゆる生活領域におけるデジタル化と持続可能な開発を推進するための重要な基盤とリソースを提供するものです。世界トップクラスのAIDCを開発するという目標に向かって、私たちはSenseCoreの能力を学界と産業界の両方にさらに開放し、将来のAI生産性を促進し、健全で豊かな包括的AIエコシステムを育成します 」

SenseTime共同創業者兼CEO、シュウ・リー博士

SenseCore AI Infrastructureは、モデル、ディープラーニングプラットフォーム、コンピューティングインフラの3層を統合し、業界レベルのAIモデルの展開と商業化を加速させるものです。AIDCは、コンピューティング・インフラ層の不可欠な部分として、汎用性の高いAI-as-a-ServiceとしてSenseCoreの主要機能を強化し、AIモデルのトレーニングのための計算リソースと大規模データ管理を顧客に低コストで提供します。

AIDCは、数千億のパラメータを持つベースモデルのトレーニングを可能にする、強力で弾力的かつ安定したコンピューティング能力を提供します。AIDCは、計算資源を有機的に統合することで、機能性と精度を備えた多様で増え続けるAIモデルの大量生産を実現し、SenseTimeの研究開発効率の向上と生産にかかる限界費用の削減を可能にします。

セキュリティへの対応

AIDCのアーキテクチャは、セキュリティも最優先事項の一つであることを特徴としています。セキュリティレベルごとにデータを分類する包括的なガイドライン、高度なアクセス制御システム、強力な暗号化、許可されたグループごとにコンピュータリソースを適切に分離するなど、データのプライバシーとセキュリティを多方面から徹底しています。また、SenseTimeは国際的に認められているISO/IEC 27001およびISO/IEC 29151の認証を取得しており、情報セキュリティ管理と個人を特定できる情報の保護における高い水準の証となっています。

持続可能なAIエコシステムのためのAI-as-a-Serviceの強化

大幅に強化されたコンピューティング能力によって、 AIDCのインフラは cSenseTime独自の革新的なAI製品・サービスによってスマートビジネス、スマートシティ、スマートライフ、スマートオート分野を強化し、さらに最先端技術の研究開発を強化するためのサポートを提供します。クラウドベースのフルスタックAIモデル製造・導入サービスにより、SenseTimeのパートナーは、限られた労力、専門知識、投資で、ニーズに合わせたAIモデルを制作できるようになります。

データセンターのオープニングセレモニーに続いて、SenseTimeと産学のパートナーが共同で設立した人工知能計算力産業生態連合(ICPA)の第2回会議が開かれ、計算力の需要と供給、業界の課題、戦略などのテーマについて議論し、AI業界におけるコミュニケーションと協力を促進するAIDCの重要な役割が示されました。

AIDCはSenseTimeのAIを活用したカーボンニュートラルな取り組みに基づき、省エネ型の電力消費システムを導入したグリーン施設でもあります。これにより、AIDCは回線損失率を約50%削減し、年間消費電力量を約4500万kWh削減する見込みです。長期的には、AIDCのグリーンで持続可能な発展を後押しするため、より多くの環境対策が導入される予定です。

技術進化の新たな波に直面し、新世代のAIインフラはAI産業に深遠かつ多次元的な影響をもたらすでしょう。今後、センスタイムはAIDCの計算能力をさらに拡大し、各地域でより多くのスーパーコンピューティングクラスターを開発することで、地域経済や産業のデジタル変革をサポートし、最終的には持続可能なグローバルAIエコシステムに貢献します。

W.Media (VENKATESH GANESH)より抄訳・転載



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