IBM、AIとハイブリッドクラウドで四半期収益が増加

株価が急騰、顧客は自動化拡大を求める

IBMは、生成AIとハイブリッドクラウドサービスへの需要の高まりを背景に、前四半期の売上高が4%増加しました。

Big Blue(IBM) の2023年度第4四半期の売上高は174億ドルで、ほとんどのアナリスト予想を上回りました。水曜深夜に発表された年次決算でも、2023年度の売上高は前年比2%増の619億ドル、純利益は75億ドルでした。

同社の株価は、決算発表後の水曜日の拡大取引で5%上昇し、過去約10年間で最高値を記録しました。

生成AIの波に乗る

IBMのCEOである アルビンド・クリシュナ(Arvind Krishna) は、同社のAI製品に対する需要は急速に高まっていると述べています。同社は昨年、さまざまな基礎AIモデルへのアクセスを提供する企業向けプラットフォーム、watsonxを立ち上げました。

「ハイブリッドクラウドとAIの継続的な採用により、すべてのセグメントで売上を伸ばしました。AIに対するクライアントの需要は加速しており、当社のwatsonxとジェネレーティブAIのビジネスブックは第3四半期から第4四半期にかけて約2倍に増加しました」 とクリシュナは語っています。

Reutersのインタビューに応じたJames Kavanaugh最高財務責任者(CFO)は、AIへの支出は同社のソフトウェア部門とコンサルティング部門に分けられたと述べています。IBM最大の売上部門であるソフトウェア部門の第4四半期の売上高は75億ドル(3%増)、コンサルティング部門の売上高は50億ドル(5.8%増)でした。

一方、IBMのインフラ事業は46億ドルで、前年同期比2.7%増となりました。このうち、zSystemsメインフレーム事業の売上高は8%増加しました。

投資家との電話会議でKrishnaは、クラウドとオンプレミスのデジタルインフラが混在するハイブリッドITセットアップを利用するIBMの顧客が増加しており、同社はこれを活用するのに適した立場にあると述べています。

「我々のクライアントのほとんどは、複数のパブリッククラウドと自社のデータセンター(プライベートクラウド)のハイブリッド環境が現実であることを認識していると思います」とKrishnaは述べています。

IBMのクラウドユーザー、データセンターのアップグレード中に混乱に直面

一方、IBMはトロントにあるデータセンターのひとつをアップグレードすると発表しており、その結果、顧客は混乱に見舞われる可能性があります。

同社は、 Toronto Canada (TOR01)のデータセンターでPower Systems Virtual Serversを稼動させているIBM Cloudの顧客に対し、2月12日から3月1日の間に仮想マシンを新しいインフラに移行することを通知しています。

顧客には5時間のタイムスロットが割り当てられ、その間に最大2台の仮想マシンが移動される、と勧告では述べられています。この間、VMは停止しておく必要があり、移行が完了してからスイッチを入れ直すことができます。

さらに、3月15日にはデータセンターのネットワーク機器がアップグレードさ れます。IBMの勧告によると、ユーザーは予防措置として冗長ネットワークリンクを確立する必要があるとのことです。

この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。

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