
シュナイダーエレクトリックが欧州データセンター市場の回復を受け、世界的に価格改定
買収したMotivairのグローバル展開も本格化
フランスの電力・冷却会社シュナイダーエレクトリックは、データセンターへの継続的な投資により増収となりました。
一方、不利な為替変動が利益率に打撃を与え、関税と原材料のインフレが利益を押し下げたと同社は述べています。
同社全体の売上高は、前年同期比8.3%増の100億1,000万ユーロ(約114億3,000万ドル)で、データセンターとネットワーク事業を含むエネルギー管理グループは10.5%増の80億ユーロ(92億ドル)でした。
シュナイダーエレクトリックのOlivier Blum最高経営責任者(CEO)はデータセンター事業について、「当社には2桁の成長機会があると見ている」と述べ、「およそ12、18か月前に実施したすべての行動により、短期的にも中期的にも、データセンターにおける成長機会を、当社のポートフォリオのすべての部分で捉えることができる良いポジションにあると確信しています」と続けました。
さらに同氏は、Motivairが会社の成長に貢献することを期待していると話しました。シュナイダーは今年初め、Motivairを8億5000万ドルで買収しました。Motivairの主な市場はこれまで米国でしたが、「現在、国際市場に向けた準備を進めている」とのことです。
また、同社はデータセンターの需要が世界中で旺盛であると話しました。北米のエネルギー管理部門の売上高は15%増、アジア太平洋地域は11%増、中国は「1桁台半ば」増、「その他の地域」は11%増であったとのことです。
Hilary Maxson CFOによると、売上が伸び悩んでいた西ヨーロッパは、「スペイン、イタリア、フランスでのデータセンター・プロジェクトの実行により、再び成長を取り戻した」ようです。これらの地域の売上高は3%しか成長しなかったものの、引き続き堅調なパイプラインを維持しており、「いくつかの国では、政府が土地や送電網へのアクセス許可を加速化させるルートを模索しているため、実行に向けて勢いが増す兆しが少しずつ見え始めている」と語りました。
これについて、Blum CEOは次のように述べました。「第2四半期に若干の回復が始まりましたが、特にヨーロッパでの成長の大幅な加速を確認するには時期尚早です。というのも、私たちが目にする多くの新規投資は、中期的にはおそらく良いニュースだからです。欧州は下半期においても依然として非常に厳しい環境が続く見込みです。」
また、ドナルド・トランプ米大統領が推し進める世界的な関税戦争も課題であり、世界の大半に対して関税が課され、その金額と時期は急速に変化しています。
Blum CEOによると、シュナイダーは中国を除いて世界中で「強力な価格決定力」を持っており、コストを相殺するために価格を引き上げることが可能だったとのことです。値上げはまだ販売パイプラインを通して行われているようです。
Hilary Maxson CFOは、これに関連して次のように述べました。「米国を含む主要な地域ではすでに定価を引き上げており、下期には製品価格の引き上げが予想されます。我々は価格決定力を持つ企業であり、関税やインフレの影響を次の四半期で完全に相殺できると期待しています。」
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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