HPEが日本の産業技術総合研究所(AIST)向けにAIスパコンを構築
Nvidia GPUを搭載予定
Hewlett Packard Enterprise(HPE)は、日本の産業技術総合研究所(AIST)のAIスーパーコンピューターの構築に採用されました。
「AI Bridging Cloud Infrastructure (ABCI) 3.0」と名付けられたこのスーパーコンピューターは、Nvidia H200 Tensor Core GPUを搭載したHPE Cray XDシステムを使用して構築され、各ノードはNvidia Quantum-2 InfiniBandネットワーキングによって、200GBpsのBisectional Bandwidthで相互接続されます。
各ノードには、140ギガバイト以上のHBM3eメモリ(4.8 TBps)を搭載した、NVLink接続のH200 GPUが8基搭載されます。
合計で約6.2エクサフロップスの半精度性能、410倍精度のペタフロップスを実現し、日本最速のAIスーパーコンピュータとなることが期待されています。
このクラスターは、クラウドサービスを通じて、民間および公的機関の双方に提供され、千葉県の柏に設置される予定です。
HPEのAntonio Neri社長兼最高経営責任者(CEO)は、次のように述べています。 「AIを身近で実用的にすることは、産業界全体のイノベーションを加速し、社会にインパクトをもたらすうえで非常に重要です。産総研のAIクラウドサービスに、HPEが実績を重ねてきたAIシステムとノウハウ、そして業界をリードするNVIDIAのアクセラレーテッドコンピューティングプラットフォームを選定いただいたことは大変な光栄です。産総研のシステムが、産業界・学界の研究促進、イノベーションの推進、生成AIからの価値創出に貢献することを期待しています」
産業技術総合研究所(AIST)の田中良夫執行役員は、次のように述べています。 「生成AIの進展が著しい昨今、計算資源に対する需要が高まっています。産総研は、世界最高水準の機械学習処理性能を備えた強力なABCI 3.0スーパーコンピューター基盤を提供します。HPEおよびNVIDIAとの協業は、増大する一方の画像、音響、センサー情報のデータセットから構築する大規模基盤モデルの迅速な学習を促進するAIクラウドサービスを提供するにあたって重要であり、ABCI 3.0利用者のコミュニティをサポートするうえでもさらに緊密な連携に期待しています」
AISTは2018年から、クラウドによるスーパーコンピューティングサービスを提供しています。AISTのABCIシステムは、ゲノム解読や材料情報学を予測するAI技術の開発、日本語大規模言語モデルなど、さまざまな科学研究を支援してきました。
これは、AIの研究開発を促進するために設計された、日本の大規模なOpen AIコンピューティングインフラストラクチャの最新版です。
ABCI 3.0システムは、日本の経済産業省(METI)の支援を受けており、ABCIへの取り組みと、クラウドAIコンピューティングへの投資の両方を含む、METIによるより広範な10億ドルのイニシアチブの一環です。
2023年6月、経済産業省はAISTに2億2,600万ドルを拠出し、生成AIに特化したスーパーコンピューターを開発すると発表しました。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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