ソフトバンクの孫正義氏、1000億ドル規模のAIチップベンチャーを計画

ソフトバンク創業者の孫正義氏は、Nvidiaに対抗できるAIチップのベンチャー企業を設立するため、1000億ドルの資金調達を計画しています。

ブルームバーグは、「イザナギ」プロジェクトによりソフトバンクが300億ドル、中東の投資家が700億ドルを投資する可能性があると報じています。

この取り組みは、ソフトバンクが90%の株式を保有するチップ設計事業のARMと連携することが想定されていますが、この2つの事業が具体的にどのように相互作用するかはまだ未定です。

日本の創造と生命の神にちなんで命名されたイザナギは、まだ初期段階にあり、孫社長はベンチャー企業の形を変えかねない迅速な決断を下してきた経緯があります。

しかし、彼は以前から人工知能(最後の3文字がAGIであることからイザナギを選んだ)の台頭を予測しており、それを実現しようと多額の投資を行ってきました。

2017年、孫はソフトバンク・ビジョン・ファンドを立ち上げました。これは中東の投資家が支援する1,000億ドル規模の取り組みで、テック系新興企業に早期に出資することを目的としています。すぐに業界で最も多くの投資家を得て、業界全体の評価を押し上げました。

しかしWeWorkに代表されるように、多くの失敗もありました。2020年5月、ソフトバンクはビジョン・ファンドが180億ドルの損失を出したと発表し、2号ファンドの野望を縮小せざるを得なくなりました。

Katerra、Wirecard、Zymergenのような他の失敗は、そのデューデリジェンス・プロセスに対する批判につながり、孫氏はファンドのパフォーマンスに「恥じている」と述べています。

2023年3月期に320億ドルの損失を出したファンドは、新興企業への投資を大幅に縮小しました。

しかし、ソフトバンク自身はここ数カ月、ARMの所有権(ビジョン・ファンドは事業の4分の1を所有していましたが、ソフトバンクは昨年それを買収)のおかげでより多くの成功を収めています。

2016年にArmを320億ドルで買収し、2022年にNvidiaへの売却に失敗した後、ソフトバンクは昨年同社を上場させました。今月初めまで株価は比較的横ばいで推移したもののAIへの思惑が同社の評価を新たな高みに押し上げました。

この1週間で、ARMは評価額を500億ドル以上引き上げ、ソフトバンクのバランスシート強化に貢献しました。

イザナギプロジェクトは、OpenAIのCEOであるサム・アルトマンの数兆ドル規模のチップ計画とは別のものですが、アルトマンと孫社長は以前、半導体製造のための資金調達のために力を合わせようと話し合ったことがあります。



この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。



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