
AmazonがベトナムでKuiperサービス拡大のため5億7,000万ドルを投資
最大6つの地上局を設置、急成長するベトナムの通信需要に注目
ベトナム科学技術省は、Amazonが2030年までに同国でKuiperサービスを展開するため、通信インフラに5億7,000万ドルを投資することを発表しました。
このニュースは、ベトナムの情報通信省の副大臣であるPhạm Đức Longと、AmazonのグローバルライセンスおよびProject Kuiper責任者Gonzalo de Diosとのハノイでの会談を受けて報じられたものです。
この投資により、ベトナム国内に最大6つの地上局が設置され、北部のバクニン省では現地企業との提携を通じて衛星端末の製造拠点も設立される予定です。
地上局の具体的な場所については、まだ公表されていません。
この資金調達は、ホーチミン市に拠点を置く新会社「Amazon Kuiper Vietnam Co., Ltd.」を通じて提供され、この会社は低軌道衛星サービスの申請も行っています。
Kuiperは、2025年4月に最初の27基の衛星を打ち上げ、最終的には3,236基の衛星で構成されるコンステレーション(衛星群)を目指しています。各衛星の重量は約600kg、太陽電池パネルの長さは8メートル、製造コストは最大200万ドルとされています。全衛星が展開されると、117テラビット/秒の通信容量を提供する予定です。
Barclaysの試算によると、Kuiperの収益は2030年までに610億ドルに達すると見込まれており、そのうち260億ドルが一般消費者向け、250億ドルがデータセンターや航空・海運市場を含む企業向けとなっています。
Kuiperはベトナムでの試験プログラムとして、消費者、企業、政府向けに5年間の展開を目指す申請を行っています。
Starlinkも同様の5年間の展開計画を進めていると報じられています。先週ベトナムでデータセンターが開設された際、FPT Corporation(ベトナムのITサービス企業)のCEOであるNguyen Van Khoは、Starlinkが新たな専用地上局の建設に協力するため、現地企業2社を選定し、そのうちの1社としてFPTが選ばれたことを明らかにしました。
急速な工業化、柔軟な規制環境、積極的な公共投資、そして中国という世界第2位の経済大国に近接していることから、東南アジアは衛星通信事業者にとって成長が期待される地域とされてきました。
中国からの製造需要を取り込みつつ市場の自由化を進めるベトナムは、衛星通信の大手企業にとって、信頼できる投資先として注目されています。
この記事は海外Data Centre Dynamics発の記事をData Center Cafeが日本向けに抄訳したものです。
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